第二のファーウェイを目指すZTE、車載OS、コネクテッドに布石
ZTE(中興通訊)は通信機器及び通信端末開発生産メーカーとして知られているが、自動車分野にも参入している。
2012年にZTEは「ZTE新能源汽車公司」を設立し、ワイヤレス充電技術の研究開発に注力している。
2016年7月、ZTEは地場商用車メーカーの「珠海広通客車」を買収することで自動車製造の資格を取得し、「中興智能汽車有限公司」を設立し、6−12メートルの大型EVバス、観光バスなどの製品を生産するほか、コネクテッドカーの研究開発、設計、生産、応用、ビッグデータ、自動運転、クラウドコンピューティングセンターのシステム研究開発と運営をめぐり、新規事業を展開している。
同時期、ZTEは武漢市で「ZTE高能技術有限責任公司」を設立し、動力電池の研究開発、生産、販売に注力している。現在、ZTE傘下の大部分の車種に使用されている動力電池はすべて自社製品である。
2021年3月に、ZTEは自動車電子製品ラインを設立すると同時に、自動車電子開発チームを設立し、システム製品技術計画部に所属し、自動車電子分野の統一業務計画と経営を担当すると報じられた。
今年9月13日、ZTEは、車載OSやコネクテッドなど事業で布石を打っており、車載チップにも関心を持っていると表明した。現在、同社は、車載OSについて一汽、長安などの地場メーカーと提携を進めている。
スマートカー事業では、ZTEは自動車分野でファーウェイと類似した戦略をとっており、自動車メーカーのTier1として、自身の電子・電気分野での技術力を生かして、スマートカーOSなどのソフトウェア、ハード設備、ソリューションを提供している。
ZTEは5G+V2X通信技術と検知・計算技術の開発と応用に焦点を当て、顧客にコネクテッドカーと計算サービスおよびICTインフラを提供し、コネクテッドカーの安全性、効率性、情報サービスなどのニーズを満たす。
現在は5G+V2Xチップモジュール、TBOX/OBU車載端末、路側RSU設備、エッジコンピューティングMEC設備、V2X基礎クラウド制御プラットフォームのend-to-endソリューションプランを提案している。
現在、同社の車載端末製品の世界市場での累積出荷台数は100万台を超えており、複数の自動車メーカーと戦略的提携を結んでいる。
今後の展開として、ZTEはドメインコントローラー、4Dミリ波レーダーなどの開発を準備しており、うちミリ波レーダーが将来の5Gから6Gまでの無線技術と強い関連性を持つものについては、ZTEはこれらの分野で相応の投資を行っている。