Autonaviは、北京市で本格的なMaaSプラットフォームを開通
公共交通分野でアリババは、百度やテンセントの一歩先を行っている。
11月4日、北京市交通委員会はアリババ傘下の高徳地図(以下はAutonavi)と戦略的提携枠組み協定を締結し、北京交通グリーン・モビリティ一体型サービス・プラットフォーム(略称「北京MaaSプラットフォーム」)を共同で開通させた。これは今後、北京市の交通データがAutonaviと共有されることを意味する。Autonaviも、これにより「カーナビ・サービス・プロバイダーから総合モビリティ・サービス・プラットフォーマーへと進化した」。
Autonavi総裁の劉振飛氏は現地で、今回の協力はAutonaviが政府と市民に積極的にサービスを提供するための行動であり、北京MaaSプラットフォームは中国初の一体化モビリティプラットフォームの実験的な応用であり、世界初の利用者数1000万人級のMaaSサービスプラットフォームでもあると述べた。
MaaSとはMobility as a Serviceのことで、オペレーターが様々な交通手段を統合し、ユーザー個人の好み、時間、コストなど多様なニーズをバランスさせることで、出発地から目的地までの「ドアからドアへ」の交通サービスを提供する。利用者は1つのIDを使ったり、料金を1回支払ったりするだけで、地下鉄や車、自転車など多様な乗り物をシームレスに乗り継ぐことができる。
Autonavi副総裁の董振寧氏は、「2014年までは、Autonaviのユーザーはほとんどドライバーだったが、現在はグリーン・モビリティを選択しているユーザーは31.6%に達している」と述べた。
董振寧氏は次のように説明した。北京MaaSプラットフォームはバス、地下鉄、電車、徒歩、自転車、ネット配車、航空、鉄道、長距離バス、ドライブなどすべての交通手段のモビリティサービスを統合し、市民に出発前のルートアドバイス、走行中のルート誘導、到着後のグリーン・インセンティブなどの全プロセス、ワンストップ式の「ドアからドアへのスマート誘導」と都市間モビリティの全過程の計画サービスを提供している。
具体的には、出かける前に、ユーザーは北京MaaSプラットフォームを通じて、バス路線、地下鉄の渋滞状況、交通コストなどのさまざまな情報を知ることができ、最適なルートアドバイスを得ることができる。外出中、同プラットフォームは「バス/地下鉄乗車随伴カード」を導入し、ユーザーの位置、降車時間、混雑度、出口案内などの情報を直観的に表示する。また、北京MaaSプラットフォームはインセンティブを通して、ユーザーがグリーン・モビリティを使用し、グリーン・エネルギーを利用することを奨励することができる。
同プラットフォームに合わせて、Autonaviはリアルタイム・バスサービスを開始し、北京市の人気バス路線の95%以上をカバーし、正確率は97%を超えた。ユーザーはいつでも近くのバスの位置をリアルタイムでチェックし、車の到着時間を把握し、待ち焦がれないようにすることができる。
劉氏によると、2022年までに、同市のMaaSプラットフォームは、年間5000万人に自家用車から公共交通へのグリーン・シフトをさせ、毎日80%の市民にグリーン・モビリティ・サービスを提供する。