Autonaviは「明鏡システム」を開通、モビリティプラットフォーマーへの転身を狙う

単純な地図ナビゲーションサービスを提供する初期の段階から、交通・観光案内など、人々の生活と直結する多くの機能を徐々に増やしていくことで、アリババ傘下の高徳地図(以下はAutonavi)はこのほど、自身を新たに「ナショナル・モビリティ・プラットフォーム」に位置づけると発表した。

「過去1年間で、Autonaviはモビリティユーザーのために少なくとも19億3000万時間の渋滞時間を節約した。Autonaviはビッグデータと革新的な技術手段を用いて、『スマート+モビリティ』時代に地図というモビリティインフラとしての包括的な価値を発揮させ、モビリティをよりよいものにしている」と、Autonaviの劉振飛総裁は8月13日、中国道路交通安全フォーラムでこのように述べた。

都市規模の拡大、自働車保有の増加、道路交通状况の復雑化により、都市交通管理は大きなな圧力に直面している。このフォーラムに参加した各地域の交通運輸管理部門の責任者は、現在の業界管理が直面している問題について、道路渋滞、交通事故、資源の過剰消費が交通管理部門とユーザーの前に立ちはだかる3つの難題になっていると述べた。

いかに既存の条件の下でより効果的に問題を解決するかが急務となっている。現在、最も重要な交通情報のルートとして、スマホアプリは間違いなく「カギ」となっている。Autonaviによると、すべての交通情報取得方式のうち、スマホの地図アプリで交通情報を取得したのは72.3%占めている。そのため、モバイルナビゲーションアプリを手掛かりにした「スマート+モビリティ」モデルは、モビリティとマネージメントをつなぐカギとなる。

「過去数年間、Autonaviは、全国の360以上の都市をカバーする交通ビッグデータと、都市交通管理向けのスマート交通の公共サービスに基づき、一連の技術革新手段を通して、ユーザーにより安全で、より便利で、よりエコなモビリティスタイルを提供してきた」。劉氏によると、「Autonaviは年間265億件の動的交通イベントアナウンスを発信し、ユーザーにリスクを事前警告している」という。

渋滞緩和とエコなモビリティの面で、Autonaviと交通管理部門は新しい技術手段を用いて、都市交通の通行効率を明らかに向上させている。Autonaviと国研経済研究院の研究によると、合理的なルート計画により、Autonaviはユーザーのために年間19億3000万時間以上の時間を節約している。18年の中国1人当たりGDPを6億5000万元に換算すると、約143億元の時間コスト削減に相当する。

Autonaviは同日に開催された2019インターネット+都市交通管理イノベーションフォーラムで、ビッグデータと人工知能に基づいて都市交通のAI分析評価診断機能を実現する「明鏡システム」を発表した。

「明鏡システムは都市を対象としたCTスキャンのようなもので、都市交通に影響を及ぼす要因を多次元からスキャンし、原因を分析して、総合的な対策を精確に行うための根拠を提供することができる」とAutonaviの董振寧副総裁が明らかにした。

Autonavi側の紹介によると、「明鏡システム」の主な機能は、Autonaviの交通分野の8種の交通データをベースに、人工知能アルゴリズムを用いて道路網、道路、交差点の交通運行状況を分析することで、空間、時間、強度の3つの次元の10余りの指標から都市の交通状況を全面的に評価することができ、いわゆる「都市交通のための健康診断レポートのようなものだ」。

董振寧氏によると、Autonaviは現在、武漢市で信号機データとの同期を実現しており、自社「スマートコーン」などのIoT設備を通して位置に基づく「人と車と道路」の協調を実現している。また、交通渋滞、交通事故などが発生した場合、Autonaviは動画AI認識技術を利用し、渋滞をいち早く感知し、アプリ、カーナビ、掲示板などの手段を用いてリアルタイムにユーザーを誘導することで、交通事故の影響を効果的に低減し、運行効率を向上させることができる。

Autonaviによると、現在「明鏡システム」が正式に開通し、綿密な交通管理対策に方向性を提示し、今後全国40の大都市に普及する計画だ。


参考記事:https://baijiahao.baidu.com/s?id=1641934193537180754&wfr=spider&for=pc

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