アウディ、一汽と新エネルギー車合弁会社設立、外資系持ち株60%

アウディ、フォルクスワーゲン(以下は「VW」)と一汽グループは18日、アウディ一汽新エネルギー車合弁会社を(吉林省)長春市に設立すると発表した。新合弁会社は2021年第1四半期に正式に設立される予定だ。注目すべきは、アウディとVWグループがこの合弁会社の株式60%を保有することだ。

今後、この新エネルギー車合弁会社はPPEプラットフォームに基づく電気自動車を生産し、初回の投資額は300億元を超える計画だ。PPEプラットフォームはアウディとポルシェが共同で大型電気自動車向けに開発したハイエンド電気自動車プラットフォームで、同プラットフォームで開発する車種はクーペやSUVなどをカバーしている。アウディと一汽は昨年10月に開催された「中独自動車大会」において、共同で新エネルギー車合弁会社を設立する合意書を締結し、2024年から、初のPPEプラットフォームに基づく電動化モデルを新エネルギー車合弁会社の工場で生産する予定だ。

現在、一汽VWの株式比率は一汽60%、VW 30%、アウディ10%で、一汽側が支配権を持っている。上汽(SAIC)との合弁メーカーである上汽VWは、VW側の持ち株比率は50%。昨年12月、VW中国は、地場メーカーの江淮汽車との新エネルギー車合弁会「江淮VW」を設立し、VW側の持株比率を75%に引き上げた。VW中国はまた、江淮汽車の親会社の50%の株式を保有しており、換算後のVW中国の株式比率は77%を超えているため、「江淮VW」は外資の株式比率が最も高い合弁自動車ブランドとなり、正式に「VW安徽」に名称を変更した。つまり、アウディ一汽新エネルギー車合弁会社は外資系が支配する2社目の新エネルギー自動車合弁会社となる。

昨年末、上汽との合弁事業である「上汽アウディ」プロジェクトも進展を迎えた。アウディ、一汽グループ、上汽(SAIC)グループは共同で、最新のビジネスモデルを模索し、製品とサービスをアウディの既存ネットワークを利用して展開すると発表した。このほか、上汽アウディの初モデルも2022年初めに導入する計画だ。

2020年12月24日、一汽アウディ販売会社(一汽アウディ販売有限責任公司)が(浙江省)杭州市で正式に設立されたことが明らかになった。登録資本金は3億元で、一汽VWが100%出資する。一汽グループの会長、総経理の邱現東氏が新会社の代表取締役に、アウディAG販売取締役のHildegard Maria Wortmann氏が副取締役に、一汽VWアウディ販売事業部総経理のMarco Schubert氏が総経理に就任した。

注目すべきは、新エネルギー車合弁会社に導入するPPEプラットフォームに基づいて生産される製品も、上汽アウディが投入する製品も、今後一汽VWの完全子会社である一汽アウディ販売会社が販売する可能性がでていることだ。

「新エネルギー車合弁会社の製品は一汽アウディ販売会社が販売するが、販売会社は往々にして価格決定権を有し、企業の中で最も収益性の高い部門でもある。販売会社は長春や上海ではなく杭州に設立されており、今後、上汽アウディの車種も、一汽アウディ販売会社を通じて販売される可能性があり、これはアウディが南北アウディのバランスを取る戦略となる可能性がある」と、ある自動車アナリストは、上汽アウディ合弁プロジェクトおよびアウディ販売チャンネルの統合は、アウディの中国市場でのシェア拡大に有利だとみている。

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