BMWはアリババと提携、デジタル化への転換を加速

BMWは7月3日、アリババと共同で設立した「Alibaba CloudイノベーションセンターとBMWスタートアップガレージの共同イノベーション基地」(以下、共同イノベーション基地)を発表した。共同イノベーション基地は上海金橋経済技術開発区に設立される。BMWとアリババはそれぞれの優位性のある資源を共有し、戦略的提携を結び、「インターネット+自動車」分野でイノベーションを育成するエコシステムを構築する。同事業はBMWのデジタル化への転換を推進し、BMWの中国での「2+4」戦略(BMW、MINI+CASE)の布石でもある。

共同イノベーション基地の具体的な目標は以下の通りだ。

共同イノベーション基地は、3年以内に、300社以上の企業に、クラウドコンピューティング、デジタル化、未来自動車関連技術、BMWサプライチェーンシステムとの協同などの技術資源サービス、技術研修とコンサルティングサービスを提供する。

共同イノベーション基地は、5000平方メートル以上のオフィスエリアを開放し、3年以内に30件以上の優良プロジェクトを導入してオフィスに入居させる計画だ。

共同イノベーション基地はまた、サミットとイベントの開催を通じてイノベーションのエコシステムの構築を促進し、3年間で200社以上の企業をアクセスし、7200人以上のイノベーション・スタートアップ人材を集め、サービスを提供しつつ、影響を与えるよう努める。

共同イノベーション基地は、ベンチャーキャピタル、銀行などの金融サービス分野内の関連資質を有する直属機構およびその提携パートナーと協調し、3年以内に少なくとも20社の科学技術ベンチャー企業やプロジェクトに、金融支援の斡旋サービスを提供する。

BMWは2018年7月、アリババの技術開発機関のダルマ院人の工知能実験室が開発したスマート音声アシスタント「天猫精霊」(TMALL GENIE)とのインターコネクト(相互接続)を通じて、アリババと初めて提携し、「BMWクラウド相互接続」アプリの使用シーンを、スマートフォンからスマートホームへと拡大している。

今回のアリババとの戦略的提携は、BMWのデジタル化、インターコネクト、人工知能、自動運転などの分野での発展をさらに推進する。

2019年までに、BMWは百度など自動運転関連産業チェーンの11社と共同で「自動運転安全第一」自動運転安全白書を発表した。2019年7月、チャイナユニコム、Navinfo、テンセントとそれぞれ契約し、5Gモバイル通信業務、高精度地図、高性能データ駆動型開発プラットフォームの建設で提携している。2019年、SenseTime(商湯科技)、Horizon Robotics(地平線)など中国の人工知能業界のユニコーン企業と技術開発と提携に関する検討を始めている。

中国はBMWにとって最大の単一市場であり、世界で最も重要な生産拠点とイノベーションセンターでもある。合弁企業の華晨BMWのほか、BMWは中国に北京、上海、瀋陽の3大研究開発センターを設立している。

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