ブラジル当局の摘発に反発:BYD幹部が「中傷」と主張、従業員は会社への愛を強調
近日、「ブラジル労働省がBYDの工事現場で奴隷労働者を救出した」との報道が一部のメディアで取り上げられ、広範な注目を集めています。それを受けて、26日、BYDグループのブランドおよび広報部総経理である李雲飛氏が声明を発表し、「罪を着せようと思えば、どんな理由も見つけられる!中国ブランドを貶め、中国を中傷し、中国とブラジルの友好関係を破壊しようとする行為において、海外の関連勢力がどのように悪意を持って関連付け、意図的に中傷し、国内の一部のインフルエンサーがどのように内外で協力しているかを目の当たりにした。皆様の目は真実を見極められると信じている」と述べました。
また、李雲飛氏は金匠社ブラジル支社の当該従業員たちによる共同声明も共有しました。声明では、「不当に『奴隷』のレッテルを貼られたことで、私たち従業員は人格を侮辱され、人権を侵害され、中国人の尊厳を深く傷つけられたと感じています」と述べています。
以下は、当該従業員たちによる共同声明の全文です。
私たちは金匠社の中国籍社員であり、ブラジルのカマサリで一定期間勤務しています。ブラジル滞在中は法令を遵守し、一生懸命働いてきました。ブラジル最大の新エネルギー車プロジェクトの早期完成と稼働を目指しています。
しかし、ここ数日、「ブラジル労働省がBYDの工事現場で奴隷労働者163人を救出した」とのニュースがインターネット上で大きな話題となりました。この報道内容は事実とかけ離れており、私たちに「奴隷」という不当なレッテルを貼るものです。このことは私たちの人格を侮辱し、人権を侵害するものであり、非常に憤りを感じています。
金匠ブラジル支社の責任者から、労働省の調査を受けて、同省が会社に対し私たちとの契約解除を強制し、さらに私たちを中国に送還するよう求めていると伝えられました。その理由として、会社が私たちを「奴隷化」しているとされているとのことですが、私たちはこの知らせに驚愕し、全く理解できません。この一件は私たちの尊厳を著しく傷つけるものです。
事の発端は、107名の同僚がブラジルの一時的な身分証明書を取得するため、会社が協力して手続きを統一的に行う必要があり、私たちのパスポートを一時的に収集し、保管していたことにあります。
その過程で、労働省の現場検査が行われ、会社のキャビネット内に保管されていたこれらのパスポートを見つけた労働省職員が、私たちのパスポートをすべて没収していると誤解しました。説明を受け入れないまま、私たち社員が自由を制限され、不法に奴隷化されているという結論を下しました。
過去1か月間、ブラジル労働省は私たちの勤務状況や生活環境について何度も質問を行い、多くの質問を投げかけてきました。これを私たちは大きな関心、さらには配慮と理解しています。
しかし、言語の問題や通訳の不正確さにより、質問の多くが正確に伝達されなかった可能性があります。私たちは自分たちで正しい状況を説明する必要があります。これは完全に誤解によるものです。
金匠社は私たちのパスポートを押収していません。パスポートが会社にあったのは、私たちのブラジル一時身分証明書や税番号を取得する手続きを進めるためでした。証明書の手続きが完了すれば、パスポートは速やかに返却されます。
私たちは会社から自由を制限されることはなく、給与も通常通り支払われ、会社は福利厚生も提供しています。
私たちは金匠社を愛し、この仕事を大切にしています。これからもブラジルに留まり、仕事を続けたいと思っています。また、私たちの考えを伝えるためにメディアの取材を受け入れる意向もあります。関係各所には再度正確な調査を行い、誤解を解消していただけることを願っています。
やはり、事件の展開は当初の予想通りとなり、当事者である労働者たちが不満を示し始めました。それが彼ら自身の本意であるかどうかは別として、ブラジル当局が彼らを「救出」した行動は、労働者たちにとって明らかに困惑を招くものでした。というのも、彼らにとっては「解放」されて仕事を失うことの方が、会社で「奴隷」として働き続けるよりも大きな損失だからです。これが中国人労働者の現実なのです。
また、BYDの幹部がブラジル当局の摘発行動について「中国とブラジルの関係を離間させる意図」と反射的に述べていますが、このような主張には論理的な無理があります。同社は、ブラジル労働法に違反した疑いで調査を受けているのです。
この状況が皮肉な方向に展開しているとはいえ、今回の騒動がBYDにとって大きな打撃であることは否定できません。また、この出来事は、他の海外進出を目指す中国の自動車メーカーにも貴重な教訓を与えるものとなっています。