BYDのDセグメントSUV「大唐」実車画像が流出――王朝網、上位「9系」市場に踏み込む

1月27日、BYD「唐」シリーズの新型モデルとみられる実車写真がインターネット上で拡散されました。車両前部のナンバープレート位置には「大唐」の文字が確認されており、これまで公式に予告されてきたBYDのDセグメント・フラッグシップSUV「唐9シリーズ」に該当する車両とみられています。
BYDは1月10日に開催された「第2回 王朝盛典兼 宋Pro長続航モデル発表会」において、唐9シリーズおよび漢9シリーズという2つのフラッグシップモデルを正式に発表しました。あわせて一般公募による車名募集も開始しており、両モデルはいずれも今年上半期に市場投入される予定であることが明らかにされています。
今回確認されたナンバープレート枠の「大唐」という表記や、リア周りに配されたエンブレムの要素などを踏まえると、この名称は社内での暫定的な呼称である可能性がある一方で、最終的に正式名称として採用される可能性も否定できません。
外観デザインを見ると、唐9シリーズはBYDの最新世代となる王朝ファミリーデザインを採用しています。フロントまわりは唐Lのデザインテイストを継承しつつ再構成されており、貫通式のデイタイムランニングライトとフロントグリル加飾が一体化した造形となっています。両側には縦配置のヘッドライトが組み合わされ、全体としてワイドで堂々とした印象が強められています。
リアには貫通式テールランプが採用され、その下部には「4.9S」という表示が確認されました。これは0〜100km/h加速性能が4.9秒であることを示している可能性が高いとみられています。
一部の流出画像からは、ツートーンのボディカラー、多スポークホイール、クローム加飾を施したセミフラッシュドアハンドルなども確認されており、王朝網におけるフラッグシップモデルとしての位置づけを強く意識した仕立てとなっています。
車名やデザインの方向性は、ファーウェイ系ブランドであるAITO(問界)M9と共通点が多く、BYDが意図的に車格の高さを視覚的に訴求している可能性もあります。大型3列SUV市場を明確なターゲットとし、いわゆる「9シリーズ」モデルが競合する主戦場に正面から参入する構えといえます。この点から見ても、「大唐」は唐Lの単なるロングボディ仕様ではなく、王朝網がより上位の商品レンジへと踏み出す象徴的なモデルであることがうかがえます。
車体ディテールからは、赤色の「天神之眼」ロゴも確認されています。市場では、唐9シリーズが漢Lや唐Lと同等レベルの「天神之眼B」高級運転支援システムを搭載する可能性が高いと見られており、ハードウェア構成としてはLiDARおよびNVIDIA製Orin-Xチップを採用するとの見方が広がっています。
パワートレインについては、現時点で公式な仕様は公表されていません。ただ、これまでに出ている情報や撮影時の状況などから判断すると、プラグインハイブリッドと純電動の両仕様が用意される可能性が高いと考えられます。
純電動モデルについては、BYDが推進する最新の「メガワット級フラッシュ充電」技術への対応が噂されており、主流となっている800V高電圧プラットフォームとの差別化が図られる可能性もあります。あわせて、雲輦(DiSus)インテリジェント車体制御システムや長航続仕様の採用を指摘する声もありますが、いずれも現時点では公式確認待ちの段階にあります。
製品ポジショニングの観点では、唐Lのメーカー希望小売価格が21.48万元から設定されていることを踏まえると、車格・装備ともに上位に位置づけられる唐9シリーズは、25万〜30万元帯へと価格レンジが引き上げられるとの見方が市場では一般的となっています。
今回の露出状況から判断すると、実車はすでにプロモーション素材の撮影段階に入っているとみられ、外観の完成度も高いことから、正式発表は目前に迫っている可能性が高いと考えられます。
今後1年の間には、改良型のLi Auto L9やAITO M9が引き続き高級大型SUV市場で存在感を強める見通しであるほか、フォルクスワーゲンのID.ERA 9Xなど、合弁ブランドによる巻き返しも進むと見られています。さらに、シャオミなど新興メーカーも同クラスへの参入を検討しているとの観測が出ています。
こうした競争環境の中で、唐9シリーズがBYDのブランド力、技術体系、そして最終的な価格戦略を武器に、どこまで存在感を確立できるのかは、今後の市場動向を注視する必要があります。
BYDのDセグメントSUV「大唐」

写真:インタネット