BYD、欧州現地生産に本格着手──2028年までに体制整備、PHEV投入と販売網拡大で攻勢

9月に開かれたミュンヘン国際モーターショーで、BYD副総裁の李柯氏は「今後3年以内に欧州での電動車現地生産を実現する」と表明しました。計画通りに進めば、2028年までに欧州市場向けモデルの本格的な現地生産体制が整う見通しです。

BYDは2025年中にハンガリー工場を稼働させる予定であり、2026年にはトルコでの生産も開始する計画を進めています。トルコ工場では右ハンドル車の供給など、欧州市場向けの特注対応も想定されており、物流リードタイムも短縮される見込みです。これらの拠点は研究開発や販売拠点としての機能も担い、欧州市場への適応を強化することになります。

当面は、プラグインハイブリッド車(PHEV)が欧州での主力製品となります。李柯氏によると、今後6か月以内に3~4車種のPHEVを投入する予定であり、1~2年以内にはこのセグメントが欧州市場での主要な販売カテゴリーになると見込んでいます。また、高級ブランド「仰望(Yangwang)」を2027年に欧州市場へ導入する計画も明らかにされました。BYDは現在、欧州で13車種を販売しており、展開車種数は過去2年で大幅に拡大しています。

BYDは欧州での販売網拡大にも力を入れています。2025年末までに32か国で1000店舗以上を展開する計画を進めており、ロンドン、ミラノ、パリなど主要都市での店舗展開も進行中です。2023年時点では数店舗にとどまっていましたが、2025年には400店舗規模にまで拡大しています。

充電インフラ面では、欧州の大手事業者(IONITYやEnel Xなど)と連携し、28か国・40万基以上の充電設備に接続可能な仕組みを構築しています。一部地域では自社の高速充電設備も導入し、利便性の向上を図っています。

BYDは2025年1~8月に海外販売台数63万台を記録し、そのうち約7.1万台を欧州が占めました。特にイタリアとスペインでは、新エネルギー車販売で首位となっています。

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