BYD、カナダ生産拠点を検討 国内販売減速で海外市場に活路、買収も視野

BYDは現在、カナダに生産拠点を設ける可能性を検討しており、同時に老舗のグローバル自動車メーカーの買収についても前向きな姿勢を示しています。
3月13日付のブルームバーグの報道によりますと、BYDの執行副総裁である李柯氏(ステラ・リー)はインタビューの中で、同社がカナダ市場の調査を進めるとともに、現地での製造工場建設の可能性を評価していると明らかにしました。ただし、現時点では最終的な決定には至っていないとしています。李氏は、将来的にカナダで工場を建設する場合には、BYDが自ら所有・運営する形を望んでおり、合弁方式は採らない考えを示しました。「合弁企業はうまく機能しないと思います」と述べています。
カナダは最近、中国製電気自動車に対する貿易政策を大きく見直しました。これまでカナダ政府は中国製電気自動車に対して100%の追加関税を課していましたが、新たな政策では輸入枠制度へと移行します。新制度では、中国で生産された電気自動車について、年間最大4万9,000台まで最恵国税率6.1%でカナダ市場への輸入が認められます。この輸入枠は、今後5年以内に7万台まで拡大される可能性があります。
カナダ政府は、この措置の目的について、電気自動車の価格引き下げやエネルギー転換の加速に加え、中国企業による自動車産業への投資を呼び込むことにあると説明しています。また、中国メーカーに対しては、完成車の輸出にとどまらず、現地での組立生産やサプライチェーンの構築、地元サプライヤーとの協力を通じて、雇用創出や産業発展につながる投資を期待しています。
こうした背景のもと、カナダの産業相は1月21日、中国訪問の際にBYDとChery(奇瑞)の幹部と会談し、電気自動車分野での協力や潜在的な投資について意見交換を行いました。中国自動車メーカーにとって、カナダ市場の規模自体は大きくありませんが、戦略的には重要な意味を持つ市場とみられています。
今年最初の2か月間におけるBYDの世界販売台数は40万200台となり、前年同期比で大幅に減少し、Geely(吉利)などの競合メーカーに追い抜かれました。一方で海外販売は引き続き拡大しており、海外市場での競争力を維持するうえで、海外展開は同社にとって今後も重要な戦略となっています。BYDは2026年に海外販売130万台を達成することを目標としており、あらゆる機会を捉えながら海外展開を進めることが、現在の優先課題となっています。
また、カナダは米国およびメキシコと自由貿易協定を結んでいるため、車両をカナダで組み立てた場合、将来的に北米市場へアクセスしやすくなる可能性があります。このため、一部の業界関係者の間では、カナダがBYDを含む中国電気自動車メーカーにとって、北米市場進出の足がかりとなる可能性があるとの見方も出ています。