BYDがグローバル戦略を加速:販売台数の50%を海外市場で達成する野心

中国の電気自動車メーカーBYDは、グローバル市場への積極的な拡大を進めています。複数のメディアによれば、同社の李柯執行副総裁が26日に深セン本社で行ったインタビューで、今後の世界販売台数の「約半分」が海外市場からになるとの見通しを示し、大きな注目を集めました。

李柯氏は、BYDが海外での生産施設を増強し、中国製電気自動車に対する各国の関税やデータセキュリティ問題に対応する中で、海外市場がBYDの成長の主要なエンジンになると説明しました。

さらに、BYDは欧州各国にデータセンターを設立し、自動運転やスマートカー事業を推進しながら、海外ユーザーのデータが中国に転送されないよう対策を講じる計画です。特に欧米市場でのデータセキュリティへの懸念を払拭することを目指しています。李柯氏は具体的なスケジュールには触れませんでしたが、この目標を達成するためには、BYDが生産量と販売量を大幅に増やす必要があると述べました。

BYDは今年の世界販売目標を360万台と設定しており、そのうち50万台は海外市場からの販売を見込んでいます。今年1月から7月の間に、BYDの海外販売台数は27万台に達し、全体の14%を占めています。この成績はBYDが国際市場での成長を加速させていることを示していますが、販売台数の半分近くを海外で達成するためには、さらなる努力が必要です。

目標達成に向け、BYDはヨーロッパ、アジア、南米に数十億ドルを投資し、現地での生産施設を建設しています。これにより、現地市場の需要に応えると同時に、各国が中国製電気自動車に課している高額な関税を回避することが期待されています。例えば、EUはBYDに27%の関税を課し、米国は中国製電気自動車に102.5%の関税を課しています。

現在、BYDはタイ工場の稼働を開始しており、ハンガリー、ブラジル、トルコでも製造工場を建設中です。さらに、インドネシアでも工場を建設する計画があり、メキシコでは生産契約の締結に向けて準備を進めています。

BYDはブラジル、イスラエル、タイ、オーストラリアなどの市場で顕著な成果を上げていますが、欧州市場では電気自動車の普及に依然として課題が残っています。ブランド認知度を高めるため、BYDは2024年のユーロとコパ・アメリカの主要スポンサーの1つとなり、またウーバー(Uber)と提携し、世界の主要市場に10万台のBYD電気自動車を投入してシェア拡大を目指しています。

2030年までにBYDが海外販売の50%を達成することは容易ではないとの見方もありますが、同社の世界市場での拡大は順調に進んでおり、今後さらに勢いが増す可能性があります。

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