株主の厳しい批判に王会長が改善表明 BYD、高級化と海外展開を柱に値下げ競争も継続

6月6日、深センで開催されたBYDの2024年度株主総会において、同社会長の王伝福氏は、製品マーケティング、高級化戦略、そして海外市場の展開といった複数の重要課題について応答し、今後の展望を示しました。

総会では、ある株主が質疑応答の場で長文を朗読し、BYDが製品マーケティングなどの面で明らかな弱点を抱えていると厳しく批判しました。これに対して王氏は、同社の急速な事業拡大に伴い、マーケティング面での課題が顕在化していることを率直に認め、「株主の皆様が我々に対して『期待が大きいがゆえの叱咤』をしてくださっていると感じています。この株主の方には、ぜひその文章を会社に送っていただきたい。我々は真剣に研究し、改善すべき点があれば改め、問題がなければそのまま励みにしたい」と語りました。

実際、王氏が株主総会でこうした問題に言及するのは今回が初めてではありません。2023年の総会でも、BYDは過度なマーケティングには依存せず、技術とイノベーションを核とする製品力によって高級ブランドを築いていく方針を強調していました。

また、今回の会議で王氏は、「高級化」と「スマート化」を今後3年間の中核戦略として明言しました。すでに高級化の過程での具体的な課題も把握しており、今後はリソースを集中させ、この「高級化の戦い」に必ず勝利するとの決意を示しました。同氏は「高級化はBYDにとって成長戦略であるだけでなく、中国自動車産業がさらなる飛躍を遂げる上でも極めて重要な道筋である」と述べました。

海外市場についても、王氏は強い自信を見せました。今年の海外販売実績は「非常に好調」であり、すでに月ごとに成長の兆しが見えていると説明しました。海外市場は価格体系が比較的安定しており、収益面で大きな支えになっているとも述べました。さらに、BYDの海外におけるブランドイメージは国内よりも良好であり、海外展開は高級化戦略と並ぶ同社の重要戦略で、今後の成長を牽引する「二大エンジン」になると強調しました。

株主総会後、同社会長秘書である李黔氏は午後の交流会で、「皆さん、ご安心ください。BYDは自ら進んで価格競争を仕掛けることはありませんが、誰かが価格戦争を仕掛けてきても、我々は十分に対応できます」と述べ、今後もBYDが価格競争を継続する可能性を示唆しました。

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