BYDタイ工場、電気自動車を初めて欧州へ輸出 ― 関税回避の狙い

8月25日、BYD(タイ)は、タイ・ラヨーン県にある工場で生産した電気自動車を初めて欧州市場へ輸出すると発表しました。今回の輸出対象は「DOLPHIN(ドルフィン)」で、台数は900台以上、主な輸出先はイギリス、ドイツ、ベルギーです。
輸送はBYDが保有する自動車専用船「BYD・鄭州号」によって行われ、同船がタイから欧州へ向かうのは初めてとなります。
BYDタイ工場は2024年7月に稼働を開始し、敷地面積は約96万平方メートル、年産能力は15万台です。プレス、溶接、塗装、総組立の全工程を備えています。今年7月までに累計9万台の新エネルギー車を納入済みです。従業員は6100人を超え、現地採用率は約90%に達しています。
中国メディアの人民網(バンコク)によると、タイ投資委員会(BOI)第四地域投資経済センターのパンナトン・オンポン氏は「BYDがタイから欧州に電動車を輸出することは、同国が関連産業チェーンに一定の役割を持つことを示している」と述べました。また、タイ工業連合会自動車工業協会のユッピン・ボンシリジャン会長は「今回の輸出は、タイが世界の新エネルギー車産業チェーンにおける位置を示すものだ」とコメントしました。
タイ政府の計画によれば、2030年までに年間自動車生産250万台のうち30%を電気自動車に転換する方針です。先月、タイ投資委員会(BOI)のナリット・タードステーラースクディ事務総長は「BYDはタイを生産拠点とし、ASEANおよび他の多くの国々へ製品を輸出する」と述べ、ASEAN10か国も含まれることを明らかにしました。BYDアジア太平洋地域ゼネラルマネージャーの劉学良氏も「ここでバッテリーやその他の主要部品も組み立てる予定だ」と述べ、将来的に欧州市場へ輸出する新エネルギー車が、欧州連合による高額な関税を大幅に回避できる可能性を示唆しました。