FAWとLeapMotor、戦略的協力覚書を調印!相乗効果か、それとも足を引っ張り合う展開に?

3月3日、FAW(一汽集団)と新興自動車メーカーのLeapMotor(零跑汽車)は、長春で「戦略的協力に関する覚書(MOU)」の調印式を行いました。
戦略的協力は二つの次元に分かれています。一つは、双方がそれぞれの研究開発分野での技術的な蓄積を活用し、共同で新エネルギー乗用車の開発および部品協力を進め、技術融合を通じて製品の競争力を向上させることです。もう一つは、双方が資本協力の深化についてさらに検討し、資本協力を通じて全産業チェーンの資源協調を実現することです。
簡単に言えば、双方は資本協力と技術協力の両方を行うことになります。以下のように理解できます:
- FAWがLeapMotorに出資し、その重要な株主となる可能性があります。
- FAWの年間百万台規模の生産能力と成熟したサプライチェーンが、LeapMotorの技術的規模効果を高めるでしょう。
- その後、共同開発した車種が登場する見込みです。
- 海外展開協力。LeapMotorは以前、ステランティスと合弁で欧州市場を開拓し、2025年までに海外販売店を500店に拡大する計画です。FAWは「一帯一路」をカバーするネットワークを持っています。
今回の協力関係は、フォルクスワーゲンがXpengと提携した事例に似ており、新老自動車メーカーがそれぞれの強みを補完し合うことが期待されています。
注目すべきは、FAWが中国の国有自動車メーカーを代表する企業で、70年の歴史を誇り、2024年の販売台数は320万台に達することです。しかし、同時にFAWは典型的な伝統的国有企業体制でもあり、FAW乗用車の販売台数は主に合弁の外資系ブランドによるものです。自社ブランドは数十年にわたってあまり成果を上げておらず、新エネルギー車の販売台数も非常に少ないのが現状です。今回のFAWとLeapMotorの協力は、中国政府の民間経済座談会が開催された直後に、国有自動車メーカーが初めて民間の新興自動車メーカーと公に手を組んだことを意味しています。
過去の歴史を振り返ると、2018年から2020年までの2年余りの間に、FAWは6つの新興自動車メーカーと戦略的協力を結びました。これにはQXEV(清行汽車)、SITECH(新特汽車)、BORDRIN(博郡汽車)、BYTON(拜騰汽車)、YUDO(雲度汽車)、LeapMotor(零跑汽車)などが含まれ、FAWは伝統的な自動車メーカーの中で最も多くの新興自動車メーカーと協力してきた企業となっています。このことはメディアから「切手収集」と揶揄されています。しかし、これらの新興メーカーのうち、5社が倒産に至ったという事実もあります。