フォード、BYD製電池を検討か BEV縮小とハイブリッド重視への転換が背景

近日、一部で、フォードがBYDと電池分野での協業について協議しており、同社の一部ハイブリッド車向けにBYD製電池を調達する可能性があるとの情報が報じられました。これらの電池は、主に米国以外の市場向け車両に使用される可能性があるとされています。

これに対し、フォード中国は「当社は多くの事業分野において、さまざまな企業と意見交換や協議を行っているが、根拠のない憶測や未確認の情報についてはコメントしない」と回答しました。なお、BYD側は現時点で本件についてコメントしていません。

この報道が伝えられたタイミングで、フォードは韓国のLGエナジーソリューションとの大規模な電池調達契約を直前に取り消していました。2025年12月、フォードは当初2027年から2032年にかけて供給される予定だった75GWh分の電池調達契約を終了し、2026年から2030年までの一部供給のみを継続することを決定しています。

この動きを受け、中国国内では「BYDの技術力やコスト競争力が、多国籍自動車メーカーから評価された証左だ」とする見方も少なくありません。しかし、フォードが説明しているとおり、今回の判断は政策環境の変化や電気自動車市場の需要見通しの修正といった要因と密接に関係しています。

戦略面では、フォードは純電気自動車(BEV)への投資を抑制し、ハイブリッド車およびレンジエクステンダー車(REEV)を重視する方向へと明確に舵を切っています。2025年末には、経営資源を収益性の高い分野へ重点配分するとともに、パワートレインの多様化を進める方針を打ち出しました。将来的には、ハイブリッド車、REEV、BEVを合わせた販売比率を、全体の約50%まで引き上げる見通しです。

実際のところ、フォードとBYDの協業は今回が初めてではありません。2021年には、中国で生産されたフォード・マスタング マッハEに中国製電池が採用されており、エントリーモデルにはCATL製のリン酸鉄リチウム電池、上位モデルにはBYD製の三元系リチウム電池が搭載されていました。この三元系電池の生産ラインは、現在も稼働しているBYD唯一の三元系電池ラインとされています。

業界関係者の間では、フォードがBYD製電池の採用を検討しているとすれば、それは戦略転換後のサプライチェーン補完を目的とした現実的な選択であり、「コスト削減」と「安定供給」を同時に重視する同社の現在の方針に合致する動きだと受け止められています。

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