GM、中国事業の再構築計画を発表:50億ドル超の支出で苦境脱却を目指す
資産価値の減損と再構築計画
12月4日、GMは中国事業再構築のための一連の計画を発表しました。同社が提出した資料によると、中国での合弁事業における資産価値を26億~29億ドル規模で減損処理する予定であり、さらに27億ドルを再構築費用として計上する見込みです。この費用は、工場の閉鎖、不採算モデルの削減、投資ポートフォリオの最適化に充てられます。これらの支出は合計で50億ドルを超え、第4四半期の財務報告に反映される予定ですが、調整後の収益には影響を与えないとされています。
かつての栄光と現在の課題
GMは1997年に中国市場に進出して以来、販売台数と利益の両面で優れた業績を収めてきました。現在、中国で展開しているブランドは、ビュイック(Buick)、シボレー(Chevrolet)、キャデラック(Cadillac)、バオジュン(宝骏)、ウーリン(五菱)の5つにわたり、ビュイック、シボレー、キャデラックは「上汽GM」が、バオジュンとウーリンは「上汽GM五菱」が運営を担当しています。2017年には、中国での販売台数が400万台に達し、利益は20億ドルというピークを迎えました。
しかし、中国の地場メーカーの台頭と新エネルギー車市場の急速な変化により、外資系ブランドは次第に圧迫されるようになりました。2023年には、GMの中国事業が3.47億ドルの損失を計上し、市場シェアも2015年の15%から昨年は8.6%に縮小しました。今年の1月から11月までの期間で、上汽GMの累計販売台数は37.1万台と前年同期比で58.62%減少しました。一方、上汽GM五菱の累計販売台数は116.05万台で、前年同期比3.4%の減少にとどまっています。
また、今年上半期の業績を見ると、上汽GM五菱の売上高は329.63億元、親会社株主に帰属する純利益は9728.12万元でした。一方、上汽GMの売上高は320.02億元で、親会社株主に帰属する純利益はマイナス22.75億元となっています。
中国市場への固守を約束
それにもかかわらず、GMの経営陣は中国市場から撤退する意向はないことを明確にしています。CEOのメアリー・バーラ(Mary Barra)氏は、投資家向け会議で中国市場の競争の激しさを認めつつも、その戦略的重要性を強調しました。同氏は、再構築計画が2025年に成果を見せると予想しており、本社からの追加資金援助を必要としないと述べています。
SAICとの連携強化が鍵
12月5日には、GMが「中国事業は現在と未来の両面で重要な資産であり、合弁パートナーであるSAIC(上汽)との協力はこれまで以上に緊密化している」とコメントしました。また、「長期的な成長目標を達成するため、在庫の削減、需要に応じた生産、価格体系の保護、固定費の削減などの対策を講じている」とも述べています。同社は、SAICと共同で再構築を進め、中国事業の持続可能性と収益性の実現を目指しています。
一方、2027年6月に満了を迎える上汽GMの合弁契約については、更新の有無がまだ明らかにされていません。同じく2030年に期限を迎える上汽フォルクスワーゲンの合弁契約が10年間延長されたことと比較される中、今後の動向が注目されます。