最近、新興メーカーの極越汽車が「突然破たん」したことで、広く注目を集めました。株主のBaidu（百度）とGeely（吉利）が共同で立ち上げたスマートカーブランドである極越汽車は運営危機に陥り、約1.3万人のオーナーが不安を抱えています。近日、BaiduとGeelyは相次いで対応策を表明し、自動運転のサポートやアフターサービスを確保することで、オーナーに安定した期待をもたらしています。

Baidu、自動運転システムと地図ナビを保証

12月14日、Baiduグループ副総裁であり、インテリジェント・ドライビング事業グループ総裁の王雲鵬氏はSNSで「Baiduは自動運転システムと地図ナビゲーションにおいて責任を果たします」と表明し、極越オーナーに安心するよう呼びかけました。スマートカーにとって、コネクテッド機能は中核であり、ブランドが破綻するとネットワーク費用が支払われず、自動運転システムや遠隔操作、車載システムなどの機能が停止する恐れがあります。しかし、Baiduの保証は、オーナーにとって心強い支えとなりました。

Geely、アフターサービスを全面的に引き継ぐ

同時に、Geelyグループの上級副総裁である楊学良氏も公に声明を発表し、Geelyが責任を持って極越汽車のアフターサービスを維持すると約束しました。楊氏は「Geelyが単独で解決できる問題は直ちに対応し、Baiduや極越と協議が必要な事項についても迅速に進めます」と述べました。

報道によると、Geelyは以下の具体的な措置を約束しています：

1. 1. アフターサービスはGeely傘下のLynk & Co（領克）が担当します。
   2. 生涯保証は有効のまま維持します。
   3. オーナーのポイント充電費用はGeelyが負担します。
   4. 車載ソフトウェアはBaiduと協議し、可能な限り維持するチームを残します。Baiduが対応しない場合はGeelyが引き継ぎます。
   5. ロードサービスはGeelyが提供します。
   6. ネットワークと通信費用はGeelyが調整・負担します。
   7. 車載クラウドサービスは速やかにGeelyのシステムに接続します。

CEO夏一平、自らの管理失敗を反省

この危機を受けて、極越のCEOである夏一平氏は12月16日に長文を発表し、CEOとして多くの過ちを犯したことを認め、従業員やオーナー、サプライヤー、株主に深く謝罪の意を示しました。特に資金調達の問題については「初期段階で楽観視しすぎ、資金問題の深刻さを予見できなかったことが最大の失敗です」と指摘しました。また、人材採用や戦略計画、管理スタイルにも多くの不足があり、過度なミクロレベルの管理がチームの創造力を抑え、マーケティングに執着しすぎたことで戦略や資金調達への集中が欠けたと振り返りました。

夏氏は「極越は私の人生を捧げた事業であり、決して逃げていません」と強調し、困難な時期でも自身の資金で一部の従業員の権利を保障していることを明らかにしました。そして「できる限りの努力でこの危機を乗り越えたいです」と述べました。

まとめ

極越汽車の突然の破たんは、ブランドとオーナーに大きな衝撃を与えました。幸い、Baiduが自動運転と地図ナビを保証し、Geelyがアフターサービスを全面的に引き継ぐことで、一定の安心材料がもたらされました。また、CEO夏一平氏の反省も、今後の極越汽車の再起への期待を示唆しているが、BaiduとGeelyの対応から、両社は極越を存続させる気はなく、後始末に専念すると推察します。今後、オーナーの信頼をどのように再構築し、製品とサービスの安定性を確保するかが、BaiduとGeelyにとって大きな課題となるでしょう。

極越07

写真：極越汽車