新興メーカーのNETA(哪吒汽車)、販売首位からの転落、年末賞与の支給遅延、大幅なリストラに直面
HiPhi(高合汽車)の破綻に関する騒動が収まらないうちに、次の破綻が今年起こるかもしれません。新興自動車メーカーNETA(哪吒汽車)の現状が注目されています。1000万株の持分が凍結され、年末賞与の支給遅延が従業員の不満を引き起こし、昨年の販売台数は大幅に落ち、年明けの奇妙な反転、そして他社を追随する値下げなど、不自然な状況が続いています。
企業情報サイトによると、NETAの親会社である合衆新能源汽車股フェン有限公司について、このほど株式の凍結に関する情報が新たに掲載されました。凍結される持分の額は1000万人民元に達し、凍結期間は2024年2月6日から2027年2月5日までです。合衆新能源汽車股フェン有限公司は2014年に設立され、登録資本金は約26.64億人民元で、持株会社には南寧民生新能源産業投資パートナーシップ、宜春市金合持分投資有限公司などが含まれます。
また、NETAは従業員の管理面でも一連の問題を引き起こしています。年末ボーナスの支給が遅れたことで一部の従業員が不満を募らせ、SNS上で書き込みを入れました。NETAの張勇CEOは、年末ボーナスは3月に支給されると回答するとともに、同社は機構と人員を簡素化すると強調しました。
NETAの最近の危機といえば、まず販売台数の減少が挙げられます。2022年にNETAは前年同期比118%増の15.2万台で、NIO、理想汽車、Xpengを抜いて新興メーカー第1位となりました。しかし、わずか1年後、状況が大きく変わりました。NETAの2023年通年の新車販売は前年比16%減の12.7万台で、新興メーカーの中で5位となり、唯一落ち込んだ新興メーカーとなりました。特に怪しいのは、2023年12月、他社が軒並み成長実績を出した時に、NETAは珍しく月販5000台と予想外の減速を示し、前月比の減少幅は6割近くに達したことです。しかし、2024年の年明けは逆に反発し、1月の販売台数は1万台を超え、前年同月比66.76%増となりました。一般的な自動車メーカーは年末に追い込み販売して、つまり、毎年12月の販売台数が一般的に最大です。しかし、NETAは年末の代わりに、今年1月に追い込み販売を強化したようで、販売データは少し異常に見えます。
足元2月1日から18日までの販売台数を見ると、NETAの販売台数はトップ10からフェードアウトしています。だからNETAは厳しい状況に直面しているのではないかと推測できます。
春節明けには複数の自動車メーカーも値下げを発表しました。NETAは販売台数で予想に届かなかったことは明らかであり、消費者を引き付けるためにも値下げを追随せざるを得ませんでした。NETA Sは全系統で5000元、NETA AYAは全系統で8000元、NETA Xは全系統で22000元の値下げとなりました。値下げ後の価格は、「NETA S」が15.48万元から、「NETA AYA」が6.58万元から、「NETA X」が9.98万元からとなります。しかし、このような値引きは、NETAの財務圧力を高め、さらに多くの問題を引き起こす可能性があります。
NETAは、すでに破綻したWeltmeister(威馬汽車)とますます似てきていると言われています。製品やブランドの面でも、NETAは多くの課題を抱えています。製品ラインの位置づけは競合他社と比べて明確ではなく、コア・コンピタンスに欠けています。同時に、製品の品質問題が頻発し、消費者からの苦情が増加し、ブランド・イメージにマイナスの影響を与えています。
2024年は中国の自動車市場にとって、価格競争がかつてないほど激しい年になります。資金繰りがうまくできない自動車メーカーは厳しい時期を迎えるでしょう。このような状況下では、投資家が財布を締める可能性が高く、いかに自助努力するか、販売台数が下がりつつあるNETAに残された危機回避の時間は多くありません。