NIO、2025年第4四半期に初の四半期黒字化の可能性 販売増と研究開発費削減が要因、一時的成果との指摘も

2月5日、NIO(蔚来)は2025年第4四半期の業績予告を発表しました。創業11年を迎えたこの新興EVメーカーにとって、初めて単四半期での黒字化が視野に入る見通しとなっています。発表によれば、同四半期の調整後営業利益は7億~12億元になると見込まれており、公認会計基準ベースの調整前営業利益も2億~7億元となる見通しです。主要な利益指標がいずれもプラスに転じたことで、同社は創業以来初めて四半期ベースでの純利益黒字化という重要な節目を迎える可能性が出てきました。

この好材料を受け、2月6日の株式市場ではNIOの株価が香港市場と米国市場の双方で上昇しました。香港市場では一時39.8香港ドルまで上昇し、前営業日終値から8%超の値上がりを記録しました。米国市場でも一時10%以上の上昇となり、資本市場が同社の収益転換の兆しを前向きに評価していることがうかがえます。

より具体的な数字から見てみると、第4四半期における黒字化の構造は比較的明確です。

2025年第3四半期には8万7000台を販売し、自動車販売収入は約192億元、売上総利益は30.2億元でした。しかし、研究開発費が23.9億元、販売管理費が41.8億元に上り、合計費用が65.7億元に達した結果、営業損失は35.2億元となっていました。

一方、第4四半期の販売台数は12万4800台へと増加し、前四半期比で3万台以上の伸びとなりました。とりわけ単価の高いNIOブランド車の増加が顕著でした。概算では、自動車販売収入は約319億元、その他収入を加えると総収入は約345億元に達したとみられます。仮に売上総利益率が18%まで改善した場合、売上総利益は約62億元に達する計算となります。

第3四半期の費用総額65.7億元を基準として、さらに約10億元のコスト削減が進んだと仮定すれば、営業費用は55億元程度に抑えられ、結果として約7億元の営業利益を確保できる見通しとなります。これはNIOが公表した業績予想レンジともおおむね一致します。

このように、第4四半期の黒字化は偶然の産物ではなく、販売増加とコスト圧縮の相乗効果によって実現した結果だといえます。

経営面では、同社が進めてきたコスト削減と効率化が大きな役割を果たしました。2025年1月からNIOはCBU経営制度を導入し、組織を独立採算単位に分割するとともに、投資対効果(ROI)に基づく評価体系を構築しました。これにより、資源配分とコスト管理の精緻化が進められています。

第4四半期の黒字化を確実にするため、NIOは2025年10月以降、全社的な「戦時体制」に入り、不要不急の支出を徹底的に圧縮しました。中でも研究開発費の抑制が象徴的です。2023年から2025年第3四半期までの研究開発費はそれぞれ134.31億元、130.37億元、85.78億元と減少しており、2025年についても第1四半期から第3四半期にかけて31.8億元、30.07億元、23.9億元と段階的に縮小しており、明確な削減傾向が確認できます。

ただし、注意すべき点は、単四半期での黒字化がそのまま経営の安定を意味するわけではないということです。過去の実績を振り返ると、NIOは長年にわたり大幅な赤字を計上してきました。2023年と2024年はいずれも年間で200億元を超える損失を計上しており、2025年第1~第3四半期の累積損失も150億元を上回っています。たとえ第4四半期が黒字となったとしても、それだけで過去の巨額損失を補えるわけではありません。

そのため、2025年通年での黒字転換の可能性は依然として低いとみられています。より重要なのは、今回の収益改善が持続可能なものかどうかという点です。

市場の傾向からみると、第4四半期は自動車販売の繁忙期に当たりますが、2026年第1四半期には再び逆風に直面する可能性があります。1月のNIOの販売台数はすでに2万7000台まで減少しており、2月は春節(旧正月)の影響でさらに落ち込む見込みです。全体として、販売水準は前年の第2~第3四半期程度に戻る可能性が高く、売上高と利益率の後退が懸念されます。

さらに、昨年受注して今年第1四半期に納車される車両については購入税補助の負担(ユーザーに増税分を補填すること)が必要となり、コスト増につながります。また、2026年の新規受注分には金融コストの上昇も加わり、収益性を圧迫する要因となります。

こうした状況を踏まえると、NIOの第4四半期の黒字化は、むしろ一時的な現象である可能性があるとの見方も示されています。

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