上汽GM、合弁契約が2027年に満了 SAICとGM、協力モデル巡り溝も継続模索

SAIC(上汽集団)とゼネラルモーターズ(GM)が合弁で設立した上汽GMの30年間の協力契約は、2027年6月に満了する予定です。合弁契約が更新されるかどうかは市場の関心の焦点となっています。現在、双方は契約更新に向けた協議を続けていますが、最終的な合意には至っていません。
双方の相違点は主に、協力の目的にあります。GMは契約を更新することで、世界最大の自動車市場である中国における事業基盤を維持・強化したいと考えています。過去2年間、GMの中国事業は損失から黒字回復へと転じました。2024年には、中国の合弁事業で3億4700万ドルの損失を計上し、さらに50億ドルを超える減損および再編費用を計上しました。しかし2025年に入ると、在庫構造の調整、新エネルギー車の販売回復、生産能力の最適化などを背景に、中国の合弁事業は徐々に収益を回復し、5四半期連続の黒字を達成しました。GMにとって契約更新は、この回復基調を維持するだけでなく、SAICとの協力を通じて電動化開発に伴う投資負担を分担し、シボレーやキャデラックといったブランドの販売網と影響力を中国市場で維持する意味もあります。
これに対し、SAICはより長期的な戦略に重点を置いています。SAICは、将来の合弁会社において中国本土の研究開発能力とサプライチェーンの連携をさらに強化し、製品開発を中国市場のニーズにより適合させるとともに、開発効率とコスト管理能力を高めたいと考えています。SAICの見方では、中国の新エネルギー車産業はすでに強固なサプライチェーンを形成しており、本土のチームであれば、より迅速なペースで製品開発やモデル更新を行うことが可能です。そのためSAICは、将来の協力関係において中国側が製品定義、ソフトウェアエコシステム、サプライチェーン管理を主導する体制を志向しており、合弁会社の協力モデルを従来の「技術導入型」から「共同創出型」へと転換させたいと考えています。
こうした「中国主導の研究開発」という考え方は、SAICとAudiの協力プロジェクトですでに実践されています。一部の新型車では、プラットフォーム開発、スマートコックピット、運転支援機能の定義などを中国チームが主導しており、中国市場のニーズにより適合した製品開発が進められています。これはSAICが今後の合弁交渉において参考とする重要な事例とみられています。
このように将来の協力モデルをめぐって双方には一定の違いがあるものの、最近の動きからは、両社が引き続き協力関係の維持を模索していることもうかがえます。
3月5日に開催された2026年上汽GMディーラー・パートナーサミットで、上汽GMの総経理である盧暁氏は、株主双方が今後の一連の投資計画をすでに承認したと明らかにしました。また、上汽GMの中長期戦略の推進を引き続き支持する方針も示されました。計画によると、同社は今後、ビュイックとキャデラックのブランドを中心に据え、資源投入を拡大し、競争力のある製品と技術の導入を加速していくとしています。
これは、少なくとも中期的には双方が引き続き資源を投入する意思を持っていることを意味します。言い換えれば、たとえ合弁契約がまだ更新されていなくても、協力関係が突然終了する可能性は低いということです。この発言は、「契約更新の可否」をめぐる不確実性をある程度和らげるものと受け止められています。同時に、GMのコアブランドが合弁会社の中心であり続けるという基本的な枠組みを、SAIC側も受け入れていることを示しています。
また、製品および事業戦略の面では、上汽GMは今後3年間の発展計画も公表しました。そこでは「健全経営」「技術・製品」「グローバル展開」の三つを柱として戦略転換を進める方針が示されています。健全経営では持続的な収益確保を重視し、技術・製品では本土主導の研究開発と迅速なモデル更新を進め、グローバル展開では輸出事業の規模拡大を図るとしています。このうち、本土主導の研究開発という方向性は、SAIC側が求めてきた中国主導の開発体制に沿ったものといえます。
最新の戦略によると、上汽GMは今後3年間、毎年10モデル以上の新型車および改良モデルを投入する計画です。重点分野は四つで、MPV市場で販売台数首位の地位を維持すること、ビュイックブランドの新エネルギー車転換を加速すること、キャデラックの電動化を全面的に推進すること、そしてガソリン車の基盤を維持・拡大することが掲げられています。
具体的には、MPV分野には今後3年間で累計100億元以上を投資する予定です。ビュイックの新エネルギー車「至境E7」は今年半ばの発売が予定されており、キャデラックのフルサイズ電動SUV「凯威德」は4月末の発売が見込まれています。また、ガソリン車についても電子アーキテクチャのローカライズを進め、車両のスマート機能を全面的に強化する計画です。
これまで、契約更新交渉の進展が慎重で合意に至っていなかったことから、業界では両社の将来の協力関係について悲観的な見方も一時広がっていました。しかし今回のサミットを通じて、双方がそれぞれの主張を維持しながらも、協力関係を継続する意思自体は依然として存在していることが明らかになりました。そのため、今後は双方が受け入れ可能なバランスの取れた協力モデルを模索していく段階に入ったとみられています。