Stellantis、LeapMotorとカナダ生産を協議――既存工場活用、LeapMotorにとっては「棚ぼた」の機会に

4月2日、Bloombergが関係者の話として報じたところによりますと、Stellantisは中国の新興EVメーカーであるLeapMotor(零跑汽車)と、カナダにおける電気自動車生産の可能性について、協業を視野に入れた初期的な協議を進めています。

協議の焦点となっているのは、カナダ・オンタリオ州ブランプトンにある完成車組立工場です。同工場は約40年の歴史を持ち、2024年に操業を停止して改修に入り、当初は2025年に生産を再開し、Jeep Compassを製造する計画でした。しかし、米国がカナダ製品に対して追加関税を課したことを受け、Stellantisは同工場の改修計画を中断し、生産を米国イリノイ州へ移管しました。

この対応はカナダ政府の不満を招きました。Stellantisは過去に財政支援を受ける条件として、現地での生産体制の維持を約束しており、生産移転はこの約束に反する可能性があるとカナダ側は認識しています。一時は法的措置の検討にも至り、双方は2025年に紛争解決手続きに入り、現在も工場の将来的な活用について協議が続けられているとされています。

こうした背景のもと、LeapMotorをパートナーとして現地生産に参画させる案が浮上しています。StellantisとLeapMotorの協業関係はすでに構築されており、2023年にStellantisはLeapMotorの約20%の株式を取得し、2024年には両社で合弁会社「LeapMotorインターナショナル(零跑国際)」を設立しました。同社はStellantisが過半を保有し、大中華圏以外におけるLeapMotorの生産および販売を担っています。

Stellantisにとって、LeapMotorがブランプトン工場を活用することは、遊休化した生産能力の有効活用や、カナダ政府との摩擦の緩和につながると期待されます。一方、LeapMotorにとっても、Stellantisのカナダ工場を活用できることは、海外展開における重要な機会であり、2026年の販売目標達成やブランド競争力の向上に向けた有力な手段となります。

2025年、LeapMotorの販売台数は59.7万台に達し、通年で初めて黒字化を実現しました。2026年3月に開催された通期業績説明会において、副総裁兼CFOの李騰飛氏は「2026年の販売目標は100万台、純利益目標は50億元」と述べています。

2026年第1四半期の累計販売台数は約11万台であり、年間目標までには約89万台が残されています。今後9か月間で、月平均約10万台の販売が必要となり、3月の販売実績と比べてもほぼ倍増に相当します。現状では、中国国内市場のみでこの目標を達成することは難しく、海外市場での販売拡大が不可欠とみられます。

2025年末時点で、LeapMotorは約40の海外市場に進出し、販売とサービスを兼ねた拠点を約900か所に展開しています。2025年の輸出台数は6.7万台、2026年1~2月の海外販売はすでに2.4万台に達しています。中国の新興EVメーカーの中では比較的良好な実績といえますが、例えば3月に海外で約12万台を販売したBYDと比べると、規模にはなお大きな差があります。このため、LeapMotorにとってはStellantisとの協業や海外生産拠点の拡充が重要な課題となっています。

もっとも、Bloombergは、本プロジェクトは現時点では初期段階にあり、カナダにおいてどのような条件に直面するかは依然として不透明であり、最終決定には至っていないと指摘しています。ただし、仮に本計画が実現すれば、中国の新興EVメーカーが北米で現地生産を行う重要な事例となる可能性があります。また、今年1月にカナダのカーニー首相が訪中し、中国製電動車に対する関税引き下げで合意して以降、中国によるカナダ自動車分野への初の大型投資案件となる可能性もあります。

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