GWM会長が衝撃発言:「恒大のような自動車メーカーはすでに存在、破綻は時間の問題」

5月23日、GWM(長城汽車)の会長である魏建軍氏は、「新浪財経」のCEO・鄧慶旭氏のインタビューを受け、中国自動車業界にはすでに「恒大」のような高リスク企業が存在しており、ただ破綻していないだけだと鋭く指摘しました。この発言は公表されるや否や、業界内外に大きな反響を呼びました。
インタビューの中で魏建軍氏は、一部の自動車メーカーが時価総額や資本の熱狂を過度に追い求めるあまり、ビジネスの基本的な論理を無視し、すでに巨大なシステミックリスクを抱えていると率直に語りました。氏は、資本主導で製品やユーザーの価値を軽視する路線を進めば、企業は最終的に崩壊するしかないと指摘しました。さらに注目すべきは、魏建軍氏がこうしたメーカーに対して、自費で全面的な監査を行う意向すら示した点です。
具体的な企業名こそ挙げませんでしたが、過去に魏建軍氏が「虚偽を働く自動車メーカー」への批判を行っていたことから、多くの分析では彼の発言はBYDを指している可能性があるとみられています。というのも、過去にBYDが巨額の隠れ負債を抱えていると報道されたことがあり、これは恒大と類似しているからです。また、ネット上では、1,000億元以上の赤字を出しているNIO(蔚来)を指しているのではないかという声もあります。
魏建軍氏の発言に対して、ネットユーザーの反応は大きく二分されました。ある者は「目覚めた発言だ」と称賛し、またある者は「ライバルへの嫉妬ではないか」と疑問を呈しました。
支持派は、彼を「自動車業界の良心」と呼び、多くの自動車メーカーが資本バブルや価格競争に盲目的に走る中、魏氏の冷静な姿勢と信念は非常に貴重だと評価しています。「彼の口は神がかっている」「魏会長は自動車業界の医者だ」「真実を語る者は孤独、だが彼の勇気は称賛に値する」といったコメントも寄せられました。
一方で、批判的な意見も根強くあります。「皆が酔っている中で自分だけ目覚めているような発言は、他社を貶めて自社を持ち上げる意図が見える」との指摘や、「自社の新エネルギー車が売れないからって他社をけなしている」「どの企業も資本に頼っているではないか」といった反論もありました。中には「今年ヒット車を出せなければ、GWMもまもなく『others』行きだ」と皮肉を込めた投稿も見られました。
魏建軍氏の「恒大論」は、単なる突発的な発言ではなく、特定の企業を名指しするものでもないかもしれません。むしろ、不動産業界と同じ過ちを繰り返すなという、業界全体に向けた警鐘と捉えるべきでしょう。資本の宴の後には、荒れ果てた現実が残ります。恒大不動産は600万の住宅購入者を苦しめましたが、自動車業界の「恒大』が破綻すれば、数百万のユーザーがその被害を被ることになります。
今、最も危険なのは「販売台数が融資で支えられているメーカー」や「技術力がPPT(プレゼン資料)頼りのメーカー」です。資本の波が引いた後、裸の泳ぎ手はその姿をさらすことになるでしょう。