2026年の買い替え補助金が施行――算定方式見直しで低価格EVに逆風、外資系ガソリン車に追い風

 2026年の新たな「国家補助金(国補)」政策が、1月1日から正式に施行されました。

 自動車分野における今回の新政策で最も大きな変化は、補助金額そのものではなく、補助金の算定方式が抜本的に見直された点にあります。従来の定額補助から、車両価格に応じた比例補助に上限を設ける方式へと切り替えられたことで、中国の自動車市場における利益配分の構造は、静かに書き換えられつつあります。

 新制度では、使用済み車両を廃車して新エネルギー乗用車を購入した場合、車両価格の12%が補助され、上限は2万元となります。2.0リッター以下のガソリン車の場合は10%で、上限は1.5万元です。買い替え(下取り)による購入では、新エネルギー車が8%(上限1.5万元)、ガソリン車が6%(上限1.3万元)となっています。表面的には補助金の上限額は2025年基準と変わっていないものの、満額の補助を受け取るには、新エネルギー車で約16.7万元、ガソリン車でも15万元前後の価格帯が必要になります。

 これはつまり、補助金がもはや低価格車を自動的に優遇する仕組みではなくなったことを意味しています。

 2025年の定額型廃車補助は、いくつかの「爆発的に売れたモデル」を生み出しました。Geely(吉利)の星願、五菱宏光MINI EV、BYDの秦PLUSやSeagull(海鷗)などが、その代表例です。背景にあったのは、新エネルギー車一律2万元、ガソリン車1.5万元という固定補助の仕組みでした。車両価格が安ければ安いほど、補助金の価格に対する比率が高まり、例えば3万元の小型EVを購入しても、2万元の補助を受けることができました。実質的な自己負担は1万元に過ぎず、「ほぼタダ同然」と言える状況でした。

 その結果、昨年は三・四級都市を中心に、こうした超低価格車の販売が急増しました。

 しかし2026年には、ルールが完全に変わりました。同じ3万元の車であっても、補助は車両価格の12%、すなわち3600元にとどまります。超低価格車に集中していた補助金のメリットは一気に縮小し、政策を利用した利ざやは、ほぼ消滅しています。

 このため、新たな国補の影響を最も強く受けるのは、補助金を前提に超低価格の足代わり車を購入してきた層です。さらに、補助金を軸に成立していたブローカーや利ざやビジネスも、大きな打撃を受けています。これまで、使用済み車両を廃車にし、最も安い新車を購入して補助金を受け取り、「ゼロキロ中古車」として転売することで利益を得る、いわばグレーのビジネスが存在していました。しかし現在では、高額な補助を得るには十数万元の車を購入する必要があり、転売時の値下がりリスクが補助金額を大きく上回ります。現実的に見て、こうした利ざやビジネスモデルは成立しにくくなっています。

 一方で、多くの人の直感とは逆に、今回の新政策で相対的な恩恵を受けているのが、2.0リッター以下の外資系合弁のガソリン車です。

 周知の通り、2026年から新エネルギー車の購置税(購入税)は全額免除ではなくなり、半減措置へと移行しました。例えば20万元の車では、2025年と比べて約8800元の購入税が新たに発生します。仮に1.5万元の買い替え補助を受けたとしても、差し引き後の実質的な補助効果は約6200元にとどまり、購入税が据え置かれるガソリン車で1万元超の補助を受けられるケースには及びません。

 かつて20万元クラスで販売されていたものの、近年は新エネルギー車との競争によって15万元前後まで価格が下がったパサート、カムリ、CR-Vといった外資系モデルでは、使用済み車両を手放してガソリン車を購入することで、なお1万元前後の補助を受けることが可能です。22万元クラスの上位グレードであれば、補助額は上限の1.3万元に達します。

 一方、テスラのModel 3やシャオミのSU7といった中高価格帯の新エネルギー車は、車両価格が高いため補助が1.5万元で頭打ちとなり、加えて購入税の負担増も重なります。その結果、24万元クラスの車では、実質的な補助額は約4400元程度まで縮小します。12万元クラスの新エネルギー車であっても、税制変更後の実質補助は約4300元にとどまり、同価格帯のガソリン車が受けられる約7200元の補助との差が生じています。

 総じて見ると、2025年の定額型廃車補助で最大の受益者だったのは低価格の小型EVでしたが、2026年の比例補助+上限方式では、外資系ガソリン車が新たな「追い風」を得た形となっています。

 新たな国補の下で補助金を満額受け取るには、新エネルギー車では約16.7万元、ガソリン車では約15万元前後の価格帯が一つの目安となります。この価格帯は、現在の中国自動車市場において、最も競争が激しく、各社の製品力が真正面からぶつかる主戦場でもあります。

 2026年以降は、各メーカーがこの価格帯に新モデルを相次いで投入するとみられ、16万元前後の市場では、いっそう熾烈な競争が繰り広げられることになりそうです。

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