2025年、中国の自動車ディーラーの56%が赤字 価格競争継続で再編圧力が強まる

中国自動車流通協会(CADA)が2026年3月18日に発表した「2025年全国自動車ディーラー生存状況調査報告」によりますと、2025年の国内自動車ディーラーの経営状況は著しく悪化しており、業界はここ数年で最も厳しい局面に入っています。
データによれば、2025年のディーラーの黒字比率は、2024年の39.3%から大幅に低下し23.5%となりました。一方、収支トントンの比率は20.8%、赤字比率は55.7%に上昇し、前年の41.7%から大きく拡大しています。ディーラーの過半数が赤字に陥るのは、近年では初めてのことです。
また、年間販売目標を達成したディーラーは44.3%にとどまり、2024年からさらに低下しました。国内乗用車市場全体では、2025年の販売台数が2406.5万台と前年比6.4%増を記録したにもかかわらず、ディーラー全体としてはその成長の恩恵を十分に享受できておらず、「販売は伸びる一方で利益は減少する」という構造的な矛盾が一層鮮明になっています。
収益構造の面では、ディーラーの新車販売への依存度はやむを得ず低下しつつあります。
報告によれば、2025年の新車販売の粗利寄与はマイナス25.5%となり、主要な赤字要因となっています。一方、アフターサービスは粗利寄与が80.8%と最大の収益源となっており、金融・保険事業は24.3%の寄与を示していますが、商業銀行による消費者金融政策の見直しの影響を受け、この分野の利益は大きく減少しました。
新車価格の「逆ざや」は、赤字拡大の重要な要因となっています。2025年には81.9%のディーラーで何らかの逆ざやが発生しており、そのうち51.5%は15%以上の大幅な逆ざやとなっています。市場シェアを確保するため、多くのディーラーが「赤字覚悟の販売」を余儀なくされ、新車ビジネスは「売るほど赤字」という状況に陥っています。
この傾向は2018年頃からすでに顕在化していました。同年、中国の自動車生産・販売台数が初めて減少に転じ、新車の粗利率は2017年の5.5%から0.4%へと急落し、ディーラーの赤字比率も急速に上昇しました。2019年には業界平均の粗利率がマイナスに転じ、新車販売は構造的な赤字段階に入り、その状態は現在まで続いています。
こうした経営圧力の高まりとともに、ディーラーネットワークにも明確な変化が見られています。
2025年には全国の4S店ネットワークにおいて、新規参入と撤退がいずれも約5000店に達し、「大規模な参入と撤退」が同時に進む構造となりました。全体として、従来のガソリン車の販売チャネルは縮小を続ける一方、新エネルギー車のチャネルは拡大しています。
2025年末時点で、地場ブランドの4S店数は2万1371店に達し、全体の66%を占め、前年比でわずかに増加しました。一方、合弁ブランドおよび高級ブランドのネットワーク規模は、それぞれ5.7%、5.8%減少しています。大手ディーラーグループもチャネル転換を加速させており、従来ブランドの店舗を新エネルギー車ブランドの直営店や代理店へと改装する動きが進んでいます。
新エネルギー車ディーラーの経営状況は比較的良好です。調査サンプルにおける新エネルギー車ブランドのディーラー比率は29.9%と、2024年の16.8%から大きく上昇しました。新車販売の粗利寄与は26.5%と業界平均を大きく上回っており、アフターサービスおよび金融分野の粗利寄与も、それぞれ37.1%、18.7%と、よりバランスの取れた収益構造を示しています。
また、ディーラーによるメーカーへの満足度は60.8点に低下し、過去最低となりました。
主な不満としては、販売目標の過度な設定、価格倒掛の深刻化、高在庫の負担、部品価格の高さ、抱き合わせ販売、さらに同一エリア内での認定拠点の過剰展開による競争激化などが挙げられています。
各事業分野においても課題は顕著です。新車販売では高い目標と低収益が併存し、中古車事業では価格の不安定さやメーカー支援の不足が影響しています。アフターサービスでも入庫台数および単車あたり売上の双方が減少しており、政策面の引き締めの影響も受けています。
こうしたチャネルの圧力が現場に波及する中で、第一線の販売員の収入と職業の安定性も大きく低下しています。
価格競争の激化により新車販売の利益幅は圧縮され、報酬体系も大幅に縮小しました。一部の販売員では、1台あたりの手数料が数十元にまで低下し、場合によっては「マイナス報酬」が発生するケースも見られます。従来の収入源であった金融サービス手数料、保険のリベート、付帯サービス収入も、価格の透明化や新エネルギー車の直販モデルの普及により縮小しています。
このような状況の中で、販売員の流動性は高まり、一部は新エネルギー車の直営チャネルや中古車ビジネス、他業種へと転職しています。また、短動画やECなどを活用し、新たな収入源を模索する動きも見られます。
総じて、中国の自動車ディーラー体系は現在、構造的な再編の段階にあります。
一方では、「新車販売を中心とした収益モデル」はすでに持続困難となり、アフターサービスが主要な利益源へと移行しています。他方で、価格の透明化や直販モデルの普及により、ディーラーの情報仲介や価格交渉における役割は弱まりつつあります。
同時に、チャネルの形態にも変化が生じています。従来の来店客を起点とした販売モデルは、オンラインによる集客とオフラインでの納車を組み合わせた形へと移行しつつあり、実店舗の役割も再定義が進んでいます。
2026年の市場見通しについても、ディーラーの姿勢は総じて慎重です。市場が前年比で成長すると見込むディーラーは23.4%にとどまり、31.6%は横ばいを予想しており、過半数が保守的な見方を示しています。