2025年12月、自動車業界の利益率が2%割れ――中国自動車産業、「規模の不経済」が鮮明に

2025年の中国自動車業界における年間の生産・販売データが公表されました。生産台数、販売台数、新エネルギー車の普及率はいずれも上昇を続けるなか、業界関係者の間で特に注目を集めた指標があります。12月の自動車業界における単月の販売利益率が1.8%まで低下し、過去最低水準を記録した点です。

生産・販売の拡大と収益悪化が同時進行

年間データを見ると、中国の自動車市場は引き続き拡大基調を維持しています。2025年の全国自動車生産台数は約3,478万台と前年比でおよそ10%増加し、販売台数も約3,440万台となりました。市場規模は引き続き拡大しています。

このうち、新エネルギー車の年間生産・販売台数は1,600万台を超え、市場浸透率は約48%に達しました。電動化の進展は着実に進んでいると言えます。

一方で、こうした規模拡大とは対照的に、業界全体の収益力は明確に低下しています。

全国乗用車市場情報連席会(乗聯会)のデータによりますと、2025年の自動車業界の売上高は前年比7.1%増加したものの、コストの増加率は8.1%とそれを上回りました。その結果、年間の利益総額は4,610億元と前年比0.6%の微増にとどまり、業界平均の利益率は4.1%まで低下しました。

なかでも懸念が強まっているのが、12月の動きです。単月の利益率は1.8%に急落し、11月を大きく下回っただけでなく、2024年12月の4.1%と比べてもほぼ半減しました。これは、消費者が自動車購入に100元を支払っても、メーカーの手元に残る利益が2元に満たない水準であることを意味します。

「値下げ合戦」が収益を圧迫

利益率低下の最大の要因として挙げられるのが、2025年を通じて続いた激しい「値下げ合戦」です。

この年、新エネルギー車は平均で約2.4万元、下落率11.7%の値下げが行われました。ガソリン車についても、平均約1.6万元、下落率9%の価格調整が実施されています。年間で値下げの対象となった車種は170モデルを超え、主要ブランドや価格帯のほぼ全域に及びました。

販売台数の確保を目的とした「値下げによる台数拡大」は、多くの自動車メーカーにとって共通の選択肢となりました。しかしその結果、販売台数が増加しても利益が伸びないという悪循環に陥っています。

さらに、価格競争の影響は完成車メーカーにとどまらず、部品サプライヤーにも波及しました。調達価格の引き下げ圧力が強まり、サプライチェーン全体の収益力が大きく削がれています。

コスト構造と転換期の負担も重荷に

価格要因に加え、製造コストや構造転換に伴う支出も、収益を圧迫する要因となっています。

原材料価格の変動や一部部品コストの高止まりにより、車両の製造コストは十分に低下していません。その一方で、電動化・知能化への投資は依然として高水準にあり、研究開発、ソフトウェア、先進運転支援分野などへの支出は、中長期的に継続する見通しです。これらの投資は、短期的に収益へ結びつきにくい構造となっています。

データを見ると、2025年は1台当たりの売上高と製造原価がともに低下傾向にあったものの、粗利益率の改善にはつながっていません。電動化への投資負担と価格競争という二重の圧力のもとで、規模拡大が十分な規模効果を生み出せていない状況が浮き彫りとなっています。

中国の自動車産業は現在、成長を続けながらも収益力が低下する局面に入りつつあり、「規模の不経済」という歪んだ構造的課題に直面していると言えるでしょう。

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