中国乗用車市場、第1四半期は減速――中国ブランド競争激化、輸出拡大で海外依存が進行

2026年第1四半期の中国乗用車市場は、明確な減速傾向を示しました。全国乗用車市場情報連席会(乗連会)が4月3日に発表したデータによりますと、3月の全国乗用車小売販売台数は165.7万台で、前年同月比15%減となりましたが、前月比では60%増加しました。1~3月の累計小売販売台数は423.6万台で、前年同期比17%減となっています。全体として、自動車市場は調整局面に入っています。

内訳を見ると、新エネルギー車の小売販売は全体市場を下回っています。3月の新エネルギー乗用車の小売販売は78.4万台で、前年同月比21%減と全体よりも大きな落ち込みとなりましたが、前月比では69%増加しました。第1四半期の累計では184.4万台となり、前年同期比24%減となっています。

一方で、卸売(出荷)データは比較的安定しています。3月のメーカー出荷台数は232万台で前年同月比4%減、前月比53%増となりました。1~3月の累計出荷台数は581.3万台で、前年同期比8%減となっています。

内需が圧迫される中、自動車メーカー間の競争も一段と激化しています。とりわけ中国ブランド上位企業の間での「販売台数トップ」を巡る争いは、 より熾烈な様相を呈しています。

最近発表された複数の上場自動車メーカーの生産・販売速報によりますと、2026年第1四半期において、Geely(吉利)は累計70.9万台で中国ブランド首位に立ち、BYDは70万台でこれに続きました。両者の差は9,000台未満であり、わずか1日余りの販売台数に相当する僅差となっています。

月次の動きを見ると、この競争は一進一退の展開となっています。1月と2月はGeelyが2か月連続でBYDを上回り、1月には約6万台、2月も1.6万台の差で引き続き優位を維持しました。しかし3月に入ると、BYDが単月販売台数30万台を超えて巻き返し、Geelyを約6.7万台上回って再び月間首位を奪還しました。この結果、「中国ブランド首位」の行方は依然として不透明な状況が続いています。

両社の戦略には明確な違いが見られます。Geelyは「内燃機関車と新エネルギー車の並行展開」と「マルチブランド戦略」を採用しており、新エネルギー車の比率は約52%です。一方、BYDはすでに内燃機関車から完全に撤退し、新エネルギー車へ全面的にシフトしています。販売は新エネルギー市場への依存度が高いものの、輸出比率は約46%に達しており、新たな成長の柱となっています。

上位2社以外の中国ブランドも活発な動きを見せています。SAIC(上汽)の中国ブランド(上汽GM五菱を含む)は3月に25.6万台を販売し、Geelyを上回って当月2位となりました。第1四半期の累計では65.7万台で3位につけており、そのうちSAIC乗用車単独は前年同期比40%超の増加となり、成長をけん引しています。Chery(奇瑞)は第1四半期に56.6万台を販売し4位となりました。新エネルギー車の比率は26%未満にとどまる一方で、輸出比率は67%に達しており、販売台数の約3分の2が海外向けとなっています。輸出台数は約38万台で、中国ブランドの中で首位となっています。

注目されるのは、国内市場の成長余地が縮小する一方で、中国の自動車輸出が引き続き高い伸びを維持している点です。乗連会によりますと、2026年1~2月の自動車輸出台数は累計155万台で、前年同期比61%増となりました。2月単月では75万台で同79%増となっています。同期間の新エネルギー車輸出は32万台で前年同月比120%増、1~2月累計では67万台で前年同期比88%増となりました。

乗連会は、中国ブランドの海外展開について、外部環境は良好であると指摘しています。多くの国で自動車普及率が依然として低く、市場拡大余地の大きい「成長機会期」にあるとし、スピードが成果を左右すると分析しています。特に多くの発展途上国において、中国自動車メーカーの潜在力は依然として大きいとされています。

主要メーカーの輸出実績も、この傾向を裏付けています。3月にはCheryの輸出台数が14.9万台となり、前年同月比72%増と過去最高を更新し、11か月連続で単月10万台超を維持しました。第1四半期累計では39.3万台で同53.9%増となっています。BYDは3月に新エネルギー車を12万台輸出し、前年同月比65.2%増、第1四半期累計では31.98万台となりました。同社は通年で150万台の輸出達成を見込んでいます。Chang’an(長安)は3月の海外販売が初めて10万台を突破し、10.4万台に達しました。Geelyも3月に8.16万台を輸出し、前年同月比120%増、第1四半期累計では20.3万台で同126%増となっています。

総じて、2026年第1四半期の中国自動車市場は、「内需減速を輸出が補完する」構図が明確となりました。国内需要の伸びが鈍化する中、中国ブランドは海外市場への依存度を高めており、海外市場は国内需要の変動を吸収するバッファとしての役割を一段と強めています。

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