新エネルギー車の残価率、下落続く一方でブランド格差拡大

2025年以降、中国国内の新エネルギー車(NEV)の残価率は引き続き低下傾向にあります。8月1日に発表された中国自動車流通協会のデータによると、2025年1~7月の3年落ち純電動車(BEV)の残価率は2023年末の51.9%から42.8%へ低下し、プラグインハイブリッド車(PHEV)は53.3%から44.1%に下落しました。一方、従来のガソリン車は依然として50%以上を維持しており、中古車市場での価値は比較的安定しています。

新エネルギー車の残価率がガソリン車より低い背景には、以下の要因があります。

    • バッテリー劣化と検査制度の不足:使用年数に応じて動力電池の性能が低下するほか、健康度を統一的かつ透明に評価する基準が整備されておらず、中古車査定を難しくしています。
    • 技術の急速な更新:新しいバッテリーや自動運転技術の普及が速く、旧モデルの価値下落を加速させています。
    • 修理コストの高さ:高い集積度の設計により修理が難しく、平均費用はガソリン車より20~30%高い水準です。事例によっては修理費が車両残価を上回る場合もあります。
    • 値下げ競争と「ゼロキロ中古車」:メーカーの頻繁な値下げやディーラー内部での名義変更により、新車と中古車の価格が逆転し、市場構造に影響を与えています。

全体的に残価率が下落する中でも、ブランドや車種によって明確な差が見られます。

    • 1年落ち車両:販売好調な車種や高級モデルは高い残価率を維持しています。シャオミ(Xiaomi)SU7は88.7%、AITO(問界)M9は80.1%、Li Auto MEGAも80%前後です。BYD シーガルや宏光MINI EVといった小型車も、低コストと安定した需要により50%以上を維持しています。
    • 3年落ち車両:全体的に下落幅が大きいものの、ポルシェTaycan、テスラModel 3、五菱Air ev晴空などは相対的に安定しています。PHEVでは、ポルシェCayenne新能源、Panamera E-Hybrid、Li Auto L9が比較的高い残価を保っています。
    • ブランド別:Li Autoは72.4%で自主ブランドのNEVの中で1年落ち車両のトップです。BYDは規模の優位性とバッテリー技術で安定を維持しています。HarmonyOS搭載車、Leapmotor、Geely Galaxyも上位に入っています。

2024年、中国における新エネルギー車の普及率はすでに54%に達しており、今後もさらに上昇すると見込まれています。業界関係者は、バッテリー寿命の改善や修理体制の整備、政策規制の強化によって残価率は徐々に改善すると予測していますが、一方で、3年以上経過した車両については依然として大きな課題が残ると見られています。

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