なぜ「ファイナンス·エクスプレス」にEVベンチャーは乗れないのか

(最近スタートアップ自動車企業の資金繰り問題はしばしばメディアに取り上げられています。やはり「クルマづくりはリソース融合のプロセス」と見做している所謂「インターネット思考」は甘かったかもしれません)

資本市場の一つのマイルストーンとして、中国版ナスダック「科創板」(Science and technology innovation board)の進捗はマーケットのスポットライトを浴びている。

2018年11月5日に中国が中国版ナスダック「科創板」の設立を発表してから今年5月25日まで、わずか半年で申請企業数は111社に達した。

EVベンチャーのうち、例えば奇点汽車(Singulato)威馬汽車(Weltmeister)知豆汽車合衆新能源など多くのEVベンチャーが「科創板への進出」という目標に向けてかなり前向きなシグナルを送っていた。

残念なことに、今もなお、申請企業リストには、EVベンチャーの名前が出ていない。

「科創板」は設立当初、新エネルギーと省エネ・環境保護(主に新エネルギー、新エネ車、先進的省エネ・環境保護技術など)を重点的に奨励すると明言した。EVベンチャーは、まさに重点的に支援を受けられる分野で、新たな資金調達のチャンスに恵まれている。

では、なぜ「科創板」という資金調達の場に、EVベンチャーの姿が現れなかったのか。

「血づくり」が最大の難関

現時点で申請した111社のうち、95社が選んだ上場基準は、市場価値が10億元以上、直近2年間の純利益がいずれもプラスで累計純利益が5000万元以上、または市場価格が10億元以上、直近1年間の純利益がプラスで営業収入が1億元以上となる見込み。

つまり、「科創板」で上場するには一定の収益力が必要だ。

しかしEVベンチャーにとって、収益力は彼らの前に横たわる越えられない溝になっている。

これまでの報道をみると、「奇点(Singulato)は賃金未払いの噂が出ていた」、「Bytonは8億5000万元の巨額債務を抱えている」、「蔚来の財務諸表は芳しくなかった」など、EVベンチャーが背負う「虚血」はもはや一般的な現象となっている。

一方、車を造るには、工場建設や研究開発から生産、販売、さらにはアフターサービスまで、すべてのプロセスにおいて巨額の資金を投入する必要がある。これらの「底なし穴」を埋め尽くすにはいくらが必要なのかは、誰も予想できない。

例え素晴らしい車が市場に投入できても、生産が追い付かず納車が遅れたり、品質問題が起こったりして、消費者の信頼を失う可能性がある。

EVベンチャーの収益力が弱くて、投資家の関心を引くことができないこと、制品の質と量のいずれも際立った優位性が見られていないこと、消費者からの信頼はまだ形成されていないことなど、不確実要素が多すぎることは、「科創板」への申請を困難にしている。EVベンチャーが始めての上場企業として「科創板」に登場する確率は決して高くないだろう。

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