中国、EUのEV制裁に対抗措置:フランスブランデーとドイツ高級車が標的に

EUが中国の電気自動車に対して相殺措置を正式に採択したことを受け、中国は対抗策を計画している。

10月8日、中国商務省は声明を発表し、10月11日からEU産のブランデーに対して臨時反ダンピング措置を実施すると発表した。これに伴い、輸入業者は輸入時に税関へ保証金を納付することが求められる。中国が輸入するブランデーの大半はフランス産であるため、この措置は主にヘネシーやレミーマルタンといったフランスのブランデーブランドに影響を与えるだろう。2023年、フランスの中国へのブランデー輸出額は17億ドルに達し、その99%を占めている。

同日に行われた記者会見で、商務省は、EUから輸入された豚肉や豚副産物、乳製品に対する反ダンピングおよび反補助金の調査を進めており、また、(2.5リットル以上の)輸入大排気量ガソリン車への関税引き上げなどの対策も検討していることを明らかにした。。

フランスメディアは、中国が提示した保証金の割合について、年初にEUがコニャック(Cognac)ブランデー貿易を調査した際に見積もったダンピングの程度に基づいていると指摘している。この動きは、中国がEUからの豚肉や大排気量自動車に対する報復措置も計画している可能性を示しており、中欧間の貿易関係が一層緊張していることを物語っている。

乗用車市場統計によれば、毎年欧州から中国に輸出される大排気量乗用車の総額は180億ドルに達しており、これは中国が2023年に欧州に輸出する電気自動車の総額を上回っている。

特にドイツの自動車メーカーがこの影響を大きく受けるとみられる。税関のデータによると、2023年にドイツが中国に輸出した大排気量車の輸出額は12億ドルに達している。

この発表を受け、欧州の主要自動車メーカーやブランデー企業の株価は下落した。BMWの株価は3%下落し、メルセデス・ベンツの株価は2.6%の下落を記録した。さらに、フランスの酒造業大手レミー・コアントローの株価は8%以上も下落した。

現在、中欧双方の交渉は継続中であり、まだ最終的な決定には至っていない。中国の最新の措置は、EUに対して電気自動車の関税政策を見直すよう圧力をかける動きと解釈されている。

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