中国、電池の輸出還付税を段階的に廃止――補助金削減の名の下で進む過当競争の抑制

1月9日、中国の財政部と税務総局は共同で「太陽光関連製品等の輸出還付税政策を調整する公告」を発表しました。これにより、2026年4月1日以降、太陽光製品の増値税に対する輸出還付税は廃止される一方、電池製品については「二段階方式」による還付率の引き下げが実施されます。具体的には、2026年4月1日から12月31日までの期間、還付率を現行の9%から6%に引き下げ、2027年1月1日以降は輸出還付税を全面的に廃止する方針です。

中国の輸出還付税制度は1985年の導入以来、電池製品についても一貫して還付対象とされてきました。1994年に増値税制度が改革されて以降は、電池の輸出還付も増値税の枠組みに基づいて運用されています。

近年、電池製品の輸出還付税率は段階的に引き下げられてきました。直近では、2024年12月1日から、電池製品の増値税輸出還付税率が13%から9%へと引き下げられています。今回の再度の引き下げに加え、最終的な廃止時期が明示されたことは、明確な政策意図を反映したものといえます。

その背景にある政策目標は、大きく三つあります。

第一は、過剰な生産能力の解消です。中国の太陽光モジュールの生産能力は世界全体の80%以上、リチウムイオン電池は60%超を占めており、過度な設備拡張によって業界全体の利益率が低下するとともに、製品の同質化も深刻化しています。

第二は、技術高度化の促進です。中国の電池産業は生産規模こそ巨大であるものの、高付加価値のハイエンド電池が占める比率は3割未満にとどまっています。輸出還付税を廃止し、輸出コストを引き上げることで、企業を「価格競争」から「技術主導型競争」へと転換させる狙いがあります。

第三は、貿易摩擦の緩和です。欧米諸国はこれまで、中国の太陽光製品や電池製品について、「補助金付きダンピング」に当たるとして繰り返し批判してきました。輸出還付税を廃止することで、中国の産業政策に対する国際社会の疑念を和らげ、より公正な貿易環境を確保することが期待されています。

業界関係者によると、今回の輸出還付税の段階的な廃止が企業経営に与える影響は、採用している輸出形態によって大きく異なります。

現在、電池輸出の主流となっている「顧客引き取り方式(カスタマーピックアップ)」では、輸出還付税の引き下げによる税負担は、主に海外の顧客側へと転嫁されます。中国の電池供給に大きく依存している自動車メーカーやエネルギー貯蔵システムのインテグレーターにとっては、調達コストの上昇につながり、製品全体の利益率を圧迫する要因となります。その結果、川下の顧客が再交渉を行い、税負担の増加分を相殺するために、電池メーカーに対して出荷価格の引き下げを求めるケースも想定されます。

これに対し、電池メーカー自身が輸出および海外での引き渡しを担う方式では、還付税引き下げの影響を企業が直接負担することになります。国内での増値税負担に加え、輸出に伴う複雑な税務対応やコンプライアンス対応も必要となるため、利益率や価格設定に対する圧力は、より直接的なものとなります。

今後予想されるのは、2027年に輸出還付税が全面的に廃止された後、電池の輸出コストが約6ポイント上昇する点です。これを受けて、中国の電池メーカーは海外生産拠点の建設を加速させるとみられます。また、電池産業の川上、すなわち供給側で過剰生産能力の整理が進めば、市場の集中度が一段と高まり、川下(需要側)に対する交渉力が強まる可能性があります。その結果として、電池市場の価格水準が上昇する展開も考えられます。

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