ファーウェイ、配当発表遅れに関心 配当水準低下で財務面への懸念浮上

近ごろ、ファーウェイ(華為技術)の年度配当がなかなか公表されない状況が、市場や社員の間で議論を呼んでいます。複数の自称社員や業界関係者によるオンライン上の指摘によれば、例年は年初に発表されていた配当案が、2026年2月の春節前の時点でも公表されておらず、比較的異例の事態と受け止められています。このため、外部では同社の収益状況や財務リスクに改めて関心が集まっています。

公開資料によると、上場を行わない方針を維持してきたファーウェイの配当水準は、ここ数年、全体として低下傾向にあります。1株当たり配当は2021年の1.58元、2022年の1.61元から、2023年には1.5元へ低下し、2024年にはさらに1.41元まで下がりました。加えて、2025年度の配当方針はいまだ発表されていません。

2025年上半期決算では、売上高が引き続き増加した一方で、純利益は前年同期比32.2%減となりました。同期間の研究開発費は1062億元に達し、売上高の22.7%を占めています。半導体、OS、クラウド分野への投資を継続的に拡大する中で、利益余力が圧迫されているとみられています。こうした状況から、高水準の研究開発投資を維持しつつキャッシュフローの安定を確保する必要があり、そのバランス調整が配当遅延の主因の一つとの見方も出ています。

ファーウェイは長年、社員持株制度を中心としたインセンティブ制度を採用してきました。主な仕組みは二種類あり、出資を伴わず配当権のみを付与するTUP制度と、社員が資金を拠出して取得するESOP(仮想株)です。後者が持株制度の中心を占め、社員は保有株式を通じて継続的に配当を受け取ることができます。企業が急成長していた時期には、この制度が社員の利益と企業成長を強く結び付け、人材確保と定着を支える重要な仕組みとして評価されてきました。

しかし、成長ペースの変化に伴い、この制度の構造的な課題も議論され始めています。すでに退職した社員が依然として株式を保有し配当を受け取る一方で、現役社員が事業運営の負担を担う構図が生まれているためです。企業が成長の踊り場に入るにつれ、分配構造に起因する内部的な緊張が表面化しつつあります。また、一部社員が借入を利用して株式を取得していることから、配当が個人収入に占める比重が高まり、配当の減少や遅延による影響も拡大しています。

社員持株制度の財務的性格をめぐっては、ネット上で見解が分かれています。仮想株式の規模が大きく潜在的な負担となり得るとの指摘がある一方、中国の企業会計基準および会社法の解釈では、社員持株は負債ではなく資本(エクイティ)として扱われ、直接的な債務には計上されません。公開年報を見ても、外部推計に近い規模の負債項目は確認されておらず、リスク評価にはなお議論の余地があります。

もっとも、過去には仮想株が「買い戻し条項付きの高利債」との見方もあり、仮に債券として計算した場合、負債比率が93%近くに達し、不動産大手の恒大集団や万科が危機に直面した際の水準に近づくとの分析も示されています。

仮想株を負債とみなすかどうかについては見解が分かれるものの、多くの議論に共通しているのは、ファーウェイの高配当モデルが利益規模への依存度が高く、長期的な持続性に疑問が指摘されている点です。今後、利益成長が現在の配当水準を支えられなくなった場合、社員インセンティブ制度そのものが揺らぐ可能性もあるとみられています。

外部環境が複雑化する中、今回の配当遅延は不吉な兆候と受け止める見方もあります。ファーウェイの主要事業では、自動車関連分野で成長鈍化の兆しが見られ、スマートフォン事業も同様の課題に直面しています。一方、通信機器分野では5Gの本格的な応用拡大がまだ十分に進んでおらず、大規模投資の回収段階には至っていません。

こうした状況を踏まえ、ファーウェイの現行の仮想株制度を長期的に維持することは難しいとの見方も出ています。遅くとも2030年以前には制度の再編が避けられない可能性があり、さらには経営への影響が及ぶ可能性も排除できないとの指摘もあります。

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