自動車スタートアップ企業のBordrinと一汽シャーリーとの合弁事業は失敗へ
過去の記事で、自動車スタートアップ企業の博郡汽車(以下はBordrin)は倒産寸前の一汽シャーリーを買収して合弁会社を設立したと報じたが、あれから半年後、Bordrin自身も怪しくなり、合弁事業が遂行不可能になりつつある。
一汽シャーリーとスタートアップ企業のBordrinのコンビは、当初から資本市場にうまくいくと見られなかった。今はBordrinが約束した買収資金が一汽シャーリーの口座に振り込まれておらず、一汽シャーリーは、従業員の給料を滞納したり、サプライヤーに控訴されたりしてかなりの狼狽ぶりだ。本来は身を売ってでも金主を探した。しかし見つけた金主は金欠でわが身すら救えないものだった。
5月27日、一汽シャーリーは公告で、Bordrinの資金調達が困難なため、合弁業務が失敗する可能性も排除できないとし、同社は訴訟を通じて株主と従業員の権益を守ると明らかにした。
Bordrin自身はすでに泥沼にはまっている。一汽シャーリーを買収して、自動車の生産資格の確保とよりスムーズな資金調達ルートの獲得を狙っていたが、実際には5億元の資金調達さえ実現できなかった。
「テスラ・ショック」(注)で、国産新エネルギー車は過酷な競争にさらされている。すでに量産しているNIO、小鵬はいずれも圧力に抗しきれず、まだ量産していない二流のスタートアップ企業であるBordrinは、さらに打撃に耐えられない。
メディアが入手した内部文書によると、2018年のBordrinの損失は引き続き拡大し、3億9300万元に達した。会社は損失を理由に従業員に2018年の年末ボーナスを支給することを拒否し、一部の従業員はこれに不満を持ち、労働局に仲裁を申請した。
2019年半ばには、Bordrinに内装部品を供給する天津のある会社が博郡汽車への納品を停止している。同プロジェクトの責任者は、「我々は6月に供給を開始し、数十台分の部品を供給したが、代金が払われていないため、社長から供給停止を命じられた」とメディアに語った。
情報によると、2020年以降、Bordrinにかかわる訴訟は31件で、大半は部品サプライヤー、広告サービス代理店、金型オーダーメイドなどのサプライヤーによる訴訟で、これでBordrinの資産の一部が凍結された。
もっと深刻なのは、Bordrinの経営陣は悪い兆しを見抜いて、次々と去っていった。Bordrinで電池、モーター、制御などを主管する責任者、投融資担副総裁、マーケティング担当副総裁、市場開拓総裁などを含む多くの創設チームのメンバーは2019年に退職した。
Bordrinの経営陣に近い1人の関系者は、「(Bordrin会長CEOの)黄氏は積極的に資金を調達する一方、破産清算を検討しており、早ければ6月にも手続きを開始する」と話した。
一方、一汽シャーリーは今、中国鉄路物資総公司に身を売り、軌道交通産業の関連業務に全面的に転換する準備をしている。 かつての「国民車」メーカーは、車を造るという本来の仕事さえも続けられなくなってしまうかもしれない。
注:国産テスラの値下げに関する過去記事をご参照ください。