「シャオミ信者は思考停止」──東風日産幹部の発言に批判殺到も、同業他社の本音を代弁か

6月27日午前、東風日産のWeiboアカウント「東風日産新能源・黄照昆」による投稿が、自動車業界やSNS上で大きな波紋を呼びました。黄照昆氏は、東風日産において「三電(電池・電機・電気制御)」および動力系の開発を統括する幹部です。
同氏は、シャオミYU7の予約受注数に関する投稿を引用するかたちで、次のようにコメントしました。
「シャオミYU7は、わずか3分で約20万台の予約を獲得した。しかし、この数字の裏には、納車まで1年以上待たされるという現実がある。どの国にも、ここまで思考停止でブランドを崇拝する信者はいない。」
この発言は直ちにネット上で反発を招き、消費者を見下すような傲慢な姿勢だとして批判が殺到。特に、シャオミYU7が6月26日夜に正式発売され、3分で20万台、1時間で29万台という驚異的な予約台数を記録した直後だったこともあり、黄氏の発言はより一層鋭く受け止められました。
こうした強い世論の反応を受け、黄照昆氏は同日午後に謝罪文を公開。6月27日の自身の不適切な発言について深く反省し、シャオミ社、シャオミのファン、そして自身が所属する会社に対して心からの謝罪の意を表明しました。
謝罪文の中で黄氏は、「問題となった投稿はすでに削除しました。今回の件を教訓とし、今後は言動により一層注意を払い、職業人としての素養を高めていきたい」と述べています。
確かに、自動車メーカーの幹部という立場を考えると、黄氏の発言は軽率で狭量に見えるかもしれませんが、同業他社の立場から率直な感情を吐露したものと見る向きもあります。
実際、東風日産が展開する新型ミッドサイズEVセダン「N7」も、かつて大々的に予約実績を公表しています。6月16日には、発売から50日で予約台数が2万台を突破したと発表し、合弁ブランドにおける新エネルギー車の成功例として注目を集めました。
しかし、それでも今回のシャオミYU7の記録と比較すると、その差は歴然です。あまりの差に「シャオミ支持層の熱狂ぶりには、思わず知性を疑いたくなる」と感じる業界関係者も少なくないかもしれません。多くの自動車メーカー幹部が内心で感じていたことを、黄照昆氏があまりに率直に言葉にしてしまった——そんな一幕とも言えるでしょう。