メーカーの「遊水池」になりつつあるネット配車は、シェア自転車の二の舞になるか

国慶節の期間中、ある直轄市で複数の新エネ車ブランドを扱っているディーラーの友人が電話で教えてくれたところによると、彼は交通管理局から同市の過去1カ月間の新エネ車小売データを入手した。

口頭で一部台数を教えてもらったが、衝撃な事実だ。だいたい二ケタ、ひいては一ケタ。うち、販売台数が3ケタをやや上回ったブランドはあるが、オンライン配車プラットフォームに支えられている。

実は新エネ車だけでなく、ガソリン車にとっても、今やネット配車プラットフォームがますます「新しいマーケット」になりつつある。これらのプラットフォームは「遊水池」のように、メーカーの生産ラインからでてきた車を一台一台と飲み込んでいる。

なぜ自動車メーカーはネット配車プラットフォームを「遊水池」にするのか。

一番の直接な原因は、新車が個人小売市場で売れなくなったからだ。

販売会社の社長たちが知恵を絞っても、「十八般の武芸」を使っても、結局売れなかった。だから私はいつも友人に「ある人を憎んでいるなら、自動車販売会社の社長になってもらおう」と冗談を言っている。

ではなぜネット配車プラットフォームはメーカーの「遊水池」になれるのか。私の考えでは、この質問の答えは簡単だ。需要があり、ポテンシャルはまだ大きいからだ。ネット配車になぜ旺盛な需要があるのか?答えはもっと簡単だ。安くて楽。

今年の国慶節の休み、多くの友人は私に教えてくれた。彼らは親戚や友人を訪問したり、買い物をしたりする時に、ネット配車を呼ぶのが一般的になっている。安いだけではなくて、労力を省き、あちこち駐車場を探さなくて済む。

ネット配車が安いのには、主に2つの理由があると思う。1つは、ファンドか誰かがお金を出してくれているからだ。かつての第一次ネット配車バトルでは、DiDi、Uber China易到等の配車プラットフォームは争ってインセンティブを出していたが、使ったのは投資家のお金だった。いま、第二次ネット配車バトルが始まっている。新規参入者は、例えば一汽、東風、上汽、北汽、長安、広汽、吉利などの大手自動車メーカーだ。彼らは自腹ではあるが、今まで以上に猛威を振るって、シェア争奪戦を繰り広げている。

二つ目は安価で豊富なドライバー供給だ。経済成長が鈍化している今のご時勢では、職業を持たない人だけでなく、個人事業者やサラリーマンまでもネット配車の予備軍に参加している。収入はさほど高くなくてもないよりマシで、自由度がある。

インセンティブがあり、安くて便利なネット配車は、個人で車を買い、車を維持し、運転するよりもお金と労力を節約することができる。そこで、ネット配車への需要が増えているわけだ。

では、メーカーがネット配車プラットフォームに大挙参入している理由はなんだろう。

まず、自動車が売れないという焦眉の急を解決するために、ネット配車サービスという「遊水池」を作って、自分に売ったり、自分と関連するプラットフォームに売ったりすることができる。

ネット配車プラットフォームがどのように儲かるというと、それは次のステップで考えることだ。ゆっくりしてもいいし、損失を出しても、「先行投資で市場を育つ」という業界共通のへ理屈で説明することもできる。それだけに、多くのメーカーが大小さまざまな「遊水池」の建設を急いでいることがうかがえる。

中長期的には、メーカーが自動車業界のトレンドを追う必要もある。多くの専門家は、将来の自動車メーカーが生産した自動車の半分は個人向けに、残りの半分はネット配車プラットフォーム向けに販売されると予測している。自らプラットフォームを作らないと、将来自動車が生産されて売れなくなったらどうするのか。これが、今のような「遊水池」建設がより堂々と行われる理由となっている。

現在、自動車メーカーがネット配車に参入して「遊水池」を作っているが、果たしてこれらの「遊水池」はどれほどの規模になるだろうか。シェア自転車の二の舞にならないか?洪水はきてもシーズンが終わるに伴い引いていくが、工場で生産された車はエンドレスに出荷されており、「遊水池」はそのうち満杯となって崩壊する日が来るだろう。国内企業の「(チャンスを逃がすまいと)わっと群がる」集団心理と行動パターンでは、この日は高い確率で来ると思うが、もしかすると3年、5年、もっと早いかもしれない。


参考記事:https://www.d1ev.com/kol/100543

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