DiDiと合弁会社を設立、トヨタがモビリティへの野心をあらわに

9月17日、国家企業信用情報公示システムによると、トヨタとDiDiの合弁会社「豊橘出行(北京)科技有限公司」(以下は豊橘出行)は正式に設立され、同社の法定代表者はDiDi副総裁の楊峻氏で、登録資本金は1億5795万米ドル、経営範囲はレンタカー、自動車および部品販売、タクシーのネット配車など。

「豊橘出行」の二大株主は広汽トヨタ汽車有限公司とDestiny Mobility Investments Limitedだ。会社の主要メンバーは中日双方がそれぞれ半分を占めており、董事長は楊峻氏、総経理は劉政康氏、理事は中野雅宏氏、松岡秀治氏と求非曲氏だ。

早くも2015年からトヨタがモビリティ市場に布石を打っている。同年、トヨタはネット配車プラットフォーマーのUberに投資したが、投資金額や資金用途は明らかにしなかった。

2018年6月、トヨタはまたシンガポールの配車サービス会社Grabの株式を10億ドル取得し、後者の評価額を100億ドルに押し上げ、東南アジア最大のネット配車プラットフォーマーとしてのGrabの地位を築きさせた。

2018年8月、トヨタは再びUberに5億ドルを投資し、今年4月、ソフトバンクおよび自動車部品メーカーのデンソーと共同で、Uberの自動運転車部門の株式14%を10億ドルで買収した。

今年7月、トヨタはDiDiに6億ドルを投資した。DiDiとの提携について、トヨタ自動車の友山茂樹副社長は、インテリジェント・コネクティッド・サービスおよび次世代電気自動車の応用をさらに強化するため、トヨタのモビリティ事業に投入する車種は純電気自動車が中心となるとの考えを示した。

トヨタの電動化戦略に沿って、20年までに10車種の電気自動車を投入する。このうち中国市場ではトヨタが率先してC-HRとIZOAのEVモデルを導入し、広汽トヨタと一汽トヨタでそれぞれ生産する予定だ。

DiDiに出資し、オンライン配車やその他の形でトヨタ製品を中国のモビリティ市場に投入することで、トヨタは中国での販売台数を押し上げ、より大きなシェア、より多くのブランド露出度と収益を獲得することができる。

もっとも、DiDiと組む中でトヨタはサプライヤーの役割だけに甘んじるわけではない。両社の過去の提携の歴史から見ると、トヨタはDiDiのモビリティ業務を利用して自動運転技術を推進・商用化させようとしている。

2018年にDiDiは、トヨタのe-Paletteスマート運転技術プラットフォームと協力を始めたと同時に、トヨタの販売店でネット配車ドライバー向けの車両レンタル事業を開始した。両社はまた、トヨタのモビリティサービスプラットフォーム(MSPF)のデータ分析能力を活用し、信頼性の高い自動車メンテナンスと安全運転指導など、ネット配車ドライバーに自動車関連のさまざまなサービスを提供することを試みている。

「DiDiとの提携を選択することで、トヨタは自動運転技術をより大きな市場で着地させることができる」と業界関係者が見ている。技術の発展に伴い、自動運転とモビリティサービスを融合させることが趨勢となりつつある。ポテンシャルの大きい中国市場はトヨタにとって「自動車メーカー」から「モビリティカンパニー」へのビジネスモデルを切り替える重要な戦場となる。


参考記事:https://www.iyiou.com/p/112872.html

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