アリババの自動運転「暗視鏡」、ISPプロセッサの夜間画像認識精度を10%向上
自動運転車の夜間の「夜盲症」をどう解決するかは、多くの業界関係者が取り組んできた方向だ。
3月8日、アリババの技術開発機関である達磨院(以下はダルマ院)が自動運転車の「夜盲」問題の解決に向けて進展を見せたことを明らかにした。同社は独自に開発した車載カメラ用のISPプロセッサで、毎秒200万画素の画像を処理できるほか、6台のカメラが送信するデータをサポートしている。
このプロセッサを搭載することで、自動運転車は夜間でもより鮮明に見えるようになり、自動運転の安全性が大幅に向上する。現在、同プロセッサはアリババの自動運転物流ビジネスに使用されている。
ISP(Image Signal Processor)とは,画像信号プロセッサのことであり、車載カメラを構成する重要なコンポーネントであり、フロントエンドのイメージセンサCMOSから出力される信号を演算処理する役割を担っている。
夜間シーンでは、自動運転車は、カメラが暗部の詳細を認識できないため、危険性があることがよく指摘されている。一方、ダルマ院が独自に開発したISPプロセッサは、昼間と夜間における車載カメラの画像認識能力を大幅に向上させることができる。
上はダルマ院のISPプロセッサ、下は業界主流のISPプロセッサ
ISPプロセッサを通じて、車両はカメラを使用して現場の明暗の詳細を「見る」ことができ、周囲の環境をより詳細にコントロールして、車両を次の決定に導くことができる。
ダルマ院自動運転ラブが行った道路テストの結果によると、ダルマ院ISPプロセッサを使用した車載カメラの夜間シーンでの画像物体検出・識別能力は業界内の主流プロセッサより10%以上向上し、もともとぼやけていた標識も鮮明に識別できるようになった。
この技術の背景には、ダルマ院独自の3Dノイズ低減と画像強調アルゴリズムがある。これは、自動運転車の「目」と呼ばれるカメラの夜間の「視力」を向上させるのに役立っている。
ある業界関係者は、コストが低く、技術も成熟しているため、車載カメラは自動運転市場で最も広く利用されているセンサーとなりつつある。一方、高性能のISPプロセッサは、自動運転産業チェーンの知能化を引き上げると評価している。