DiDi、自動運転トラックにも参入か
国内メディア4月29日の報道によると、DiDiは某Tier1と自動運転トラック(Robotruck)プロジェクトで提携している。DiDiに詳しい情報筋も、DiDiは約1年半前からRobotruckプロジェクトの開発チームを組織し、北京、広州、上海にオフィスを持っていると明らかにした。
DiDiは2016年に自動運転部門を設立して、複数のチームを結成して、高精度地図、検知、行動予測、計画と制御、インフラとシミュレーション、データタグづけ、トラブル診断、車両改造、クラウドコントロールとコネクテッドカー、車両と道路の連携、情報安全など、L4級自動運転に関する技術を研究している。
2019年8月に、DiDiは自動運転部門を独立した会社に格上げした。その後2020年5月、DiDi傘下の自動運転会社がソフトバンク・ビジョン・ファンドから5億ドルの融資を受け、研究開発やテストへの投資を拡大し、国内外における自動運転テストの展開を推進すると発表した。
2021年4月、DiDiは、高性能センサー、車載自動運転システム、遠隔支援システム、プレインストール量産モデルとの高度な互換性の4つの面で多層冗長性を実現した、新しい自動運転ハードウェアプラットフォーム「DiDi双子座」を発表した。そのほか、DiDiはソフトウェアをアップグレードし、世界初の5時間連続完全無人運転の走行テスト動画を発表した。
現在DiDiは、ボルボと自動運転テストチームを組織しているほか、広汽Aionと自動運転用の新エネ車を開発している。
ただしDiDiの自動運転に関する情報はこれまで主に乗用車分野に集中していたが、今回の報道を踏まえて、DiDiは自動運転トラックにも組み込んでいることが明らかになった。
現在の自動運転技術の開発進捗では、自動運転商用車は、市場将来性のみならず、事業化する時期も乗用車より早いと予想されている。
ある機構の研究によると、中国都市間高速物流の潜在的な市場規模は3.3兆元で、鉱山や港湾などの無人運転市場は約6700億元、無人宅配市場は1700億元に達すると見込まれている。
自動運転トラックの経済性は、運行時間の増加、運転手のコスト削減、燃費向上の3つの面において、従来の大型トラックよりも優れている。一部の試算によると、自動運転トラックはコストを45%下げることができる。
現在、TuSimple(図森未来)、Plus.ai(智加科技)、Inceptio.ai(嬴徹科技)を含む自動運転トラックに特化したスタートアップ企業が複数存在しているほか、Pony.ai(小馬智行)、WeRide(文遠知行)、DeepRoute(元戎啓行)など乗用車に長じる自動運転スタートアップ企業も、自動運転トラック(Robotruck)分野に進出し始めている。