動力電池回収に新ルール――4月から施行、廃車時は「車両・電池一体」が原則に

1月16日、中国工業情報化部、国家発展改革委員会、生態環境部、交通運輸部、商務部、市場監督管理総局の6部門は共同で「新エネルギー車廃棄動力電池の回収および総合利用管理暫行規則」(以下「管理規則」)を公布しました。廃棄動力電池の回収・再利用に対する全プロセス管理を強化し、規範的で安全かつ効率的な回収利用体系の構築を図ることが目的です。
本管理規則は 2026年4月1日から正式に施行されます。
同日、工業情報化部は記者会見を開き、政策の主な内容について次のように説明しました。
1.廃車時は「車電一体」が原則
管理規則では、重点制度として 「車両・電池一体での廃車」制度が設けられました。廃棄される新エネルギー車は、必ず動力電池を搭載した状態でなければならず、これを欠く場合は、関連規定に基づき「車両の一部欠失」と認定されます。
この制度は、車両廃棄の段階で動力電池が私的に取り外され、非正規ルートへ流出することを防ぐ狙いがあります。回収の抜け穴を源流で塞ぐことが目的です。
ただし、本規定はバッテリー交換式車両などには適用されません。バッテリー交換といった新たなビジネスモデルについては、現在、関係部門が別途の管理制度を検討中としています。
2.全ライフサイクルにおける主体責任を明確化
管理規則は、動力電池の製造、販売、整備、交換、解体、回収、総合利用といった各段階における責任主体の義務を体系的に定めています。
このうち、動力電池メーカーおよび新エネルギー車メーカーは、製品の生産者として拡大生産者責任(EPR)を負うことが明確化されました。主な内容は以下の2点です。
- 製品のエコ設計の強化
動力電池企業は、「自動車動力蓄電池コード規則(GB/T 34014)」に基づき、電池に統一コードを付与し、識別表示を貼付するとともに、関連企業に対して必要な分解技術情報を提供する必要があります。
完成車メーカーは、安全性を確保したうえで、整備や分解が容易な固定・接続構造を採用し、自動車整備技術情報を法令に基づき公開しなければなりません。 - 回収に関する「最終責任」の履行
動力電池企業は、電池を販売した省級行政区域内において、販売規模に見合った回収サービス拠点を自ら、または委託により設置する必要があります。
完成車メーカーは、車両を販売した地級市レベルの行政区域内に回収ネットワークを構築し、搭載販売した動力電池について回収および適正な引き渡し責任を負います。
- 製品のエコ設計の強化
また、バッテリー交換サービス事業者、自動車整備事業者、廃車回収・解体事業者なども、取り外した廃旧動力電池を、資格を有する総合利用企業、または生産者が設置した正規回収拠点へ引き渡さなければなりません。
3.動力電池に「デジタル身分証」を付与
管理規則は、電池の全ライフサイクル管理強化を打ち出し、全国新エネルギー車動力電池トレーサビリティ情報プラットフォームの構築と、動力電池デジタル身分証制度の確立を明確にしました。
工業情報化部は関係部門と連携し、すべての電池パックに対して唯一かつ動的なデジタル身分証を付与します。これには、電池コード、製品類型、構成情報、廃棄・回収状況などの重要データが含まれ、全プロセス監督の基盤として活用されます。
同部は、デジタル身分証が今後、動力電池にとって重要な情報媒体となり、産業発展や監督ニーズに応じて、収集情報の範囲を段階的に拡大していく方針を示しています。
あわせて、全国動力電池回収利用標準化技術委員会の設立準備も進められており、将来的には自動車、船舶、定置型蓄電、軌道交通など複数分野に向けて、国家標準の策定が加速される見込みです。
4.法的拘束力を大幅に強化、処罰措置を明確化
従来の業界指針とは異なり、本管理規則は複数部門による連名の部門規章として公布されており、法的拘束力が大きく強化されています。
廃旧動力電池を規定どおり引き渡さない行為、回収責任を履行しない行為、コード管理や情報報告義務に違反した行為については、是正命令、警告、罰金などの行政処分が依法実施されます。
例えば、動力電池のコードや表示を故意に破壊・偽造・冒用する行為は禁止されており、是正に応じない場合は警告または5万元以下の罰金が科される可能性があります。
デジタル身分証制度を履行せず、是正を拒否した場合についても、同様に警告や罰金の対象となります。
5.電動二輪などへの流用を明確に禁止
廃旧動力電池の流通先をめぐる社会的関心を踏まえ、管理規則では用途制限を一段と明確化しました。
文書では、従来用いられていた「梯次利用(セカンドライフ利用)」という表現を使用せず、廃旧動力電池を、直接または加工後であっても電動二輪(電動自転車)に使用することを禁止すると明記しています。
あわせて、法律・行政法規および強制性国家標準で使用が禁止されているその他の分野への流用も認められません。
これらの規定に違反した場合、関係部門は製品品質法などの関連法令に基づき、厳格に取り締まるとしています。
工業情報化部は同時に、消費者に対し、新エネルギー車を廃車する際には、必ず正規の廃車回収・解体事業者に車両および動力電池を引き渡すよう呼びかけました。また、リチウム電池製品を購入する際には、出所不明や強制基準に適合しない製品を避けるよう注意を促しています。