累計損失100億元のAVATR、背水の陣で香港IPOへ

長安傘下のAVATR(阿維塔科技)は11月27日、香港取引所に上場申請を提出し、外部から大きな注目を集めました。長安、ファーウェイ、CATL(寧徳時代)を背後に持つこの新エネルギー車ブランドは、過去3年半で累計損失が100億元を超え、キャッシュフローも継続的に圧迫される中でIPOに突き進むことを選択しましたが、どう見ても「やらざるを得ない勝負」に近い、背水の陣のように映ります。

AVATRの物語はかつて「夢のようなスタート」とともに始まりました。長安の製造体系、ファーウェイのスマート技術、CATLの電池能力という、他に例のない“三者連携”が構築され、AVATR 11もその勢いを借りて素早く市場投入されました。しかし、実際に市場に出てみると、AVATRは外部の期待どおりに高級EVのレッドオーシャンを突破することはできていません。AITO(問界)、Li Auto(理想汽車)、シャオミ(小米)などとの激しい競争に直面し、販売が時折好調な月はあるものの、安定した優位性には至っていないのが現状です。2024年の年間販売台数はわずか7.36万台にとどまり、2025年前10か月でも年間目標の半分にすら届きませんでした。

販売の伸び悩みと同時に、損失は拡大の一途をたどっています。2022年から2024年にかけて、AVATRの損失はそれぞれ20.16億元、36.93億元、40.18億元に達し、さらに2025年上半期も15.85億元の損失を計上し、累計損失は110億元を突破しました。資産負債率は76.2%に上昇し、現金残高も200億元近くから130億元強へと減少し、短期の債務返済能力には明らかな圧力がかかっています。売上高は3年間で数百倍に増加したものの、「高い研究開発費+高額な調達コスト」による継続的な消耗を補うには全く足りていません。

こうした状況の中で、上場はAVATRにとって実質的に唯一、大規模な資金補充が可能な手段となりました。しかし、上場そのものも決してリスクがないわけではありません。ファーウェイとの協力陣営が拡大し続ける中で、「最も早くファーウェイと協業したOEM」というラベルはすでに独自の優位性を示しにくくなっており、さらに長安・ファーウェイ・CATLによる“三者分益”のいわゆる「CHNモデル」自体が、利益余地を制限しています。AVATRはLeapmotor(零跑)のように「極限的なコスト削減」を行うことも難しく、Li AutoやAITOのような「高い単車利益モデル」を再現することも難しいため、収益モデルはいまだに不透明です。

したがって、今回のIPOは単に資金調達のためだけではなく、市場からの信認を試す戦いでもあります。「三者連携による車づくりのモデル」に対して、投資家がなお興味を示しているのか。AVATRは依然として魅力あるストーリーを語れるのか。もし評価額が期待を下回れば、調達規模に影響するだけでなく、ブランドやサプライチェーンの信頼にも跳ね返る可能性があります。

AVATRは目論見書の中で未来像を描いています。2030年までにファーウェイと共同で17車種を投入し、海外展開も加速する計画です。しかし、こうした壮大な構想は、最終的には資金補給と販売拡大の上に成り立ちます。IPOが成功することは、同社がレースに留まり続けるための前提条件にすぎません。より長く、より強く生き残れるかどうかは、上場後に製品力やコスト管理を実際に改善できるかどうかにかかっています。

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