Li Auto、第3四半期の売上高が前年同期比36%減、約3年ぶりに赤字転落

11月26日、Li Auto(理想汽車)は2025年9月30日までの第三四半期の未監査財務業績を公表しました。決算によれば、同社の売上高、粗利益率、納車台数はいずれも大幅に減少し、11四半期連続の黒字計上後、初めて四半期ベースでの赤字となりました。
決算では、第三四半期の総売上高は274億元で、前年同期比36.2%減、前期比9.5%減となりました。このうち、車両販売収入は259億元で、前年同期比37.4%減となっています。純損失は6.244億元(前年同期は28億元の黒字、当年第二四半期は11億元の黒字)、非GAAPベースの純損失は3.597億元(前年同期は39億元の黒字)でした。
同社の全体粗利益率は16.3%(前年同期21.5%)に低下し、車両粗利益率は15.5%となり、前年同期から5ポイント以上低下しました。
また決算では、Li AutoのMEGAのリコールに伴う想定コストを除けば、今期の車両粗利益率は20%前後に達する見込みであるとしています。
第三四半期のLi Autoの納車台数は93,211台で、前年同期比39%減となりました。車両販売収入も同期して258.7億元まで減少しています。納車台数の大幅な落ち込みが売上減少の主要因であり、同社が事業転換期において多くの圧力に直面していることを浮き彫りにしています。
Li Autoが現在直面している課題は、レンジエクステンダー付きEV(REEV)の販売が伸び悩み、競合他社の攻勢が強まる一方で、純電動(BEV)モデルもまだ本格的な成長軌道に乗れていない点にあります。今回の苦境は、同社の創業以来、最も厳しい局面の一つと言えるかもしれません。ただし、このまま業績が下り坂に入ると断言するのは時期尚早です。かつて「冷蔵庫・テレビ・ソファ」といった「車内家電化」の訴求で中国の中間層の心を的確に捉え、新興メーカーの中で最速で黒字化を実現した同社は、いまこそ新たな競争優位性の確立を急ぐ必要があると言えるでしょう。