2024年のテスラ業績総括と2025年展望:グローバル販売台数が初の減少、中国市場が支えに

 2024年、テスラは世界市場で多くの成果を上げた一方で、いくつかの課題にも直面しました。以下に、2024年の生産、販売、そして2025年展望を総合的にまとめました。

世界販売台数の減少と中国市場の好調なパフォーマンス

 テスラは1月2日、2024年第4四半期および通年の販売実績を発表しました。第4四半期の販売台数は49.6万台、通年では178.92万台となり、2023年の181万台を下回りました。これは前年比1.1%減で、10年以上ぶりの年間販売台数の減少です。

 一方、中国市場では12月の販売台数が8.3万台に達し、前月比で12.8%増加。年間累計販売台数は65.7万台を超え、前年比8.8%増と過去最高を記録しました。

 主力車種であるModel 3とModel Yは、2024年に約170.4万台を販売し、テスラ全体の販売台数の大部分を占めました。特にModel Yは、2023年に続き、2024年も世界で最も売れた乗用車の座を維持すると予測されています。

新型車の発売:新Model Yのデザイン論争とModel Qへの期待

 新型Model Yに関する情報が公開されました。試験生産中の新モデルの内部コードネームは「Opal」とされ、以前の噂「Juniper」とは異なるとの説もあります。上海ギガファクトリーでは春節(1月29日)後に生産ラインを切り替え、量産を開始する予定で、最速で2月中の納車開始が見込まれています。

 新型Model Yのデザインには、前後が一体化したライトや、特徴的な2つの断点を持つヘッドライトが採用されており、一目でわかる外観が特徴です。しかし、レンダリング画像が公開されると、そのデザインがXpengの「P7+」に似ているとの指摘があり、議論を呼びました。7月にXpeng P7+が発表された際、マスクCEOが「…」とだけ反応したことが話題になりましたが、この反応は新型Model Yのデザインに対する関心を示唆していたのかもしれません。

 さらに、中国市場向けに特別設計された7人乗り版Model Yが開発中で、ホイールベースの延長により3列シートを快適に配置できる仕様が期待されています。

 加えて、2025年上半期には新型エントリーモデル「Model Q」の発表が見込まれています。この車種は3万ドル以下という手頃な価格設定が注目されており、テスラはこれを通じて中国や北米市場でのシェア拡大を目指しています。

充電ネットワークとユーザー基盤の拡大

 2024年、テスラは世界中で1.15万基以上のスーパーチャージャーを新設し、前年比19%増となりました。これにより、世界のスーパーチャージャー総数は6.7万基を超えました。

 また、2024年10月時点でテスラの世界ユーザー数は700万人を突破しています。上海ギガファクトリーの累計生産台数は300万台に達し、その3分の1がアジア太平洋地域や欧州市場に輸出されています。

市場促進策と未来展望

 市場需要をさらに掘り起こすため、テスラは2025年に向けて生産ラインの拡張や新モデルの投入を計画しており、とりわけ中国市場に注力しています。

 テスラ中国は、期間限定の特典を提供しています。1月31日までにModel 3またはModel Yを注文すると、5年間の無金利ローンが利用可能です。また、在庫車のModel Yを購入する場合、最終支払い額が1万元(約20万円)割引されます。さらに、地方補助金や下取り支援を活用すれば、消費者は最大で4〜6万元(約80万〜120万円)の節約が可能です。

 今後、競争が激化する電気自動車市場において、テスラがどのように優位性を維持していくのか、引き続き業界の注目を集めるでしょう。

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