テスラがアリババとFSD中国展開で協力か?アリクラウドGPUデータセンター活用の可能性を検討

3月28日、一部メディアが関係者の話として報じたところによりますと、テスラはアリババと緊密に協議を進めており、今後の協力可能性について検討しているとのことです。アリババは、テスラ中国のFSD(完全自動運転)の国内展開に向けて、GPUデータセンターサービスを提供する可能性があるとされています。
「テスラがアリババと協力する可能性がある」との報道について、アリクラウドの幹部は同日、メディアに対して「現在テスラは中国国内の複数企業と幅広く接触している」とコメントしています。
テスラは2月25日、中国市場において完全自動運転機能FSDに似たソフトウェアの提供を開始すると発表しました。しかし、実際の性能については評価が分かれており、大きな議論を呼んでいます。
イーロン・マスク氏の説明によりますと、米中両国の規制(データの国外持ち出し禁止+ハイエンドGPUの輸出規制)により、テスラは中国で収集したデータを米国に送ってトレーニング処理を行うことができません。また、中国国内で十分な量のGPUを調達してトレーニングを行うことも困難な状況です。このため、これまではインターネット上で公開されている中国の道路や標識の動画を利用してシミュレーション訓練を行ってきたとのことです。
ある自動運転技術企業の関係者は次のように述べています。「テスラが中国の道路データを使った大規模なトレーニングとテストを完了すれば、FSDの性能は飛躍的に向上するでしょう。そのため現段階では、アリクラウドのようなクラウドコンピューティングプラットフォームやデータセンターを提供できるパートナーを見つけることが重要です」。実際、Xpeng(小鵬汽車)をはじめとする国内の多くの自動車メーカーや自動運転企業が、アリクラウドのコンピューティングリソースを利用してデータトレーニングを行っていると報じられています。
さらに、アリババグループのCEOであるダニエル・ウー氏は2月23日、今後3年間で3,800億元以上を投じて、クラウドコンピューティングとAIハードウェアインフラの整備を強化すると発表しました。この投資規模は、アリババが過去10年間に行った同分野への投資総額を上回るだけでなく、中国の民間企業によるクラウドおよびAIハードウェアインフラ建設分野では史上最大の投資となる見込みです。