テスラ販売46%減、中国勢79%増──欧州4月新車市場に見えた地殻変動

市場調査会社Dataforceの速報によりますと、2025年4月の欧州新車販売台数(EU、英国、EFTA〈欧州自由貿易連合〉諸国の合計)は、前年同月比で0.3%減の108万5092台と、ほぼ横ばいとなりましたが、パワートレインの構成やメーカー別のシェアには大きな変化が見られました。

パワートレイン別の動向:

    • BEV(純電動車):+28%
    • HEV(ハイブリッド車):+16%
    • PHEV(プラグインハイブリッド車):+12%
    • ガソリン車:−7.2%
    • ディーゼル車:−19%

これらの傾向には、EUの厳格なCO₂排出規制が影響していると見られます。

4月の欧州における中国メーカーの販売は、前年比79%増の5万173台と急増し、市場シェアは前年同期の2.6%から4.6%へと上昇しました。ただし、前年は一部メーカーの販売台数が低かった点に留意する必要があります。

中国ブランド別の成長率:

    • Chery(奇瑞):+1149%、5773台
    • BYD:+356%、1万2558台(Seal Uが好調)
    • MG(SAIC):+25%、2万1735台(MG3が特に好調)

なお、MGは1〜4月累計で中国ブランドの中で首位(9万9627台)となっております。

欧米メーカーは、明暗が分かれる結果となりました。販売台数が伸びたメーカーには、BMWグループ(8.1%増)、フォード(4.9%増)、フォルクスワーゲングループ(0.6%増)、ルノーグループ(0.3%増)、ステランティス(0.1%増)などが含まれます。

一方、トヨタやテスラなどは販売が減少しました。

テスラは第1四半期以降も低迷が続き、4月の欧州販売は46%減少しました。かつて欧州のEV市場を独占していました。今年1〜4月累計ではModel YとModel 3がそれぞれEVの1位と3位を維持していますが、4月単月ではModel Yが51%減の4743台となり、EVランキングで10位に後退しました。

イーロン・マスクCEOの政治活動や、欧州の右翼政党への支持が批判を招いたことが一因とされています。マスク氏は政治献金を減らすとともに、テスラの経営に再び集中する意向を示しています。

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