中国市場管理当局、「自動車業界の価格行為コンプライアンス指針」案の意見募集を開始

12月12日、中国の国家市場監督管理総局は「自動車業界の価格行為コンプライアンス指針(意見募集稿)」を公表し、広く意見募集を開始しました。これは、自動車の販売、プロモーション、サービス料金など、価格にまつわる各種行為を対象とした“実務ガイド”で、業界全体の価格をより透明かつ適正にし、消費者が安心してクルマを購入できる環境づくりを目的としています。
こうした指針が必要になった背景には、中国の自動車市場、とりわけ新エネルギー車の急速な拡大があります。モデル数が増え、販売手法も複雑化するなか、表向きの価格と実際の精算額が違う、プロモーション内容が分かりづらい、贈答品の条件が不透明、過度な値引き競争が続く――といった問題が多発し、市場の秩序を乱す要因となっていました。監管当局は、今回の指針を通じて価格行為のルールを整備し、健全で透明性の高い市場環境の構築を目指すとしています。
意見募集稿は、主に「生産段階」「販売段階」「制度整備」の三つの側面から、自動車業界における価格行為を体系的に規律しています。
まず生産企業に対しては、製造コストと需給バランスを踏まえて価格を設定すること、車両販売や金融サービスまで含む一連の価格管理を徹底することを求めています。リベート制度は明確かつ事前合意が必要で、メーカーが販売店の自主的な価格設定に干渉することは禁止されています。
さらに、企業間の価格協調や、コストを下回る不当な価格設定による競争排除といった行為が重大な法的リスクを伴うことを明示しています。供給網のひっ迫を理由としない不当な値上げや、取引先ごとの不公平な価格設定も禁止対象とされました。また、近年議論が広がる「機能の有料解放(ソフトウェア機能の追加課金)」についても、無料期間や料金体系を事前に明確に示すことを義務づけ、説明のない料金徴収を禁じています。
販売企業に対しては、明確な価格表示、プロモーションの要件開示、贈答品の正確な表示、価格に関する約束の履行義務、そしてローン・保険など付帯条件の事前説明などを細かく規定しています。虚偽表示や誤解を招く比較価格の提示、不当な価格約束の未履行などが法的リスクとして整理され、仕入れ価格を下回る排他的な値引き販売についても明確に禁止事項として扱われています。
加えて、第三者プラットフォーム事業者にも価格管理上の責任が課せられ、出店者への不当な価格強制の禁止、法令違反を発見した場合の速やかな是正措置、そして異常に低い価格が表示された際のリスク提示義務などが盛り込まれました。販売企業がサービス料を徴収する場合には、実際に対応するサービスを提供することが求められ、典型的な違反例も提示されています。
制度面では、企業に対して価格コンプライアンス体制の構築が求められ、価格決定プロセス、契約管理、内部監査、緊急時の対応、リスク管理、そして従業員向けの教育・研修といった仕組みを整備するよう促しています。さらに、市場戦略や価格決定、販売実務の責任分担を明確化し、価格形成の透明性と適正性を確保することも重要な要件とされています。
最後に、意見募集稿は自動車メーカー、販売企業の範囲、そして業界団体の役割を補足し、本指針の解釈は国家市場監督管理総局が担うと締めくくられています。