米国、世界一律関税を15%へ引き上げ検討 対中関税は35~50%維持方針

米通商代表部(USTR)のジャミソン・グリア代表(Jamieson Greer)は2月25日、米国が最近導入した「世界一律輸入関税」について、税率を現在の10%から、状況に応じて15%に引き上げる可能性があると述べました。ただし、具体的な対象国や実施の詳細については明らかにしていません。
グリア氏はブルームバーグテレビのインタビューで、トランプ大統領が今後数日以内に関連指令へ署名し、必要に応じて世界関税を15%へ引き上げる方針だと説明しました。また、新たな関税政策の運用方法をめぐる外部の疑問についても説明を試みました。米連邦最高裁がいわゆる「相互関税」を否定して以降、米政府は新関税の詳細をほとんど示しておらず、各国の懸念を招いていました。
関税引き上げが米欧間の協定に違反する可能性について問われると、グリア氏は「政策の連続性を維持し、既存の協定を履行できるようにする必要がある」と述べました。そのうえで、今回の調整によって既に貿易協定を締結している国・地域の累積関税負担が増加することはないと強調しました。これは、15%の統一関税の下でより高い関税負担が懸念されていた欧州連合(EU)や英国、その他の国々にとって前向きなシグナルになるとしています。
さらにグリア氏は中国向け関税にも言及し、中国製品に対する関税は35~50%の範囲で維持する方針であり、具体的な税率は品目によって異なると説明しました。また、「現在の水準は維持される見通しであり、事態をさらにエスカレートさせる意図はない。これまでに合意した取り決めを遵守する」と述べました。
連邦最高裁がトランプ政権の関税措置を無効と判断した後、新たな10%、あるいは将来的に15%へ引き上げられる関税が既存の貿易協定にどのような影響を及ぼすのかが注目されていましたが、今回の発言は実質的に二つの点を示したものといえます。
第一に、これまでに締結された貿易協定に基づく関税水準は維持されます。
第二に、新たな10%関税および今後15%へ引き上げられる可能性のある関税は一律適用ではなく、各国ごとに異なる税率が設定されます。基本的な考え方は、昨年締結された貿易協定における関税水準との整合性を確保することにあります。つまり、10%未満となる国もあれば、10~14.9%の範囲に収まる国、さらには15%の上限税率が適用される国も想定されます。
要するに、既存の貿易協定で合意された関税水準へと回帰することが政策の基本方針だといえます。本来であれば早期に示されるべき原則でしたが、今回になって説明が行われたことで、多くの米国の貿易相手国に生じていた混乱の一定の解消につながる可能性があります。グリア氏の説明は、各国に安心感を与えるものと受け止められています。
なお、中国製品に対する関税は従来35~50%(一般的な試算では35~40%)の範囲とされており、最高裁判断によってトランプ関税が無効化された結果、対中全体関税は10ポイント程度低下したとみられています。こうした中、グリア氏の最近の説明を踏まえると、中国に対しては新制度下で10~14.9%の関税が適用され、既存の対中貿易協定における35~50%の関税水準を維持する可能性が高いと考えられます。