諦めない恒大汽車、初モデルの「恒馳5」発売へ
7月6日、恒大汽車の最初のモデル「恒馳5」の予約販売価格が正式に発表され、「恒馳5デラックス」の販売価格は17.9万元となった。「恒馳5」は今年10月に納車を開始し、来年第1四半期に1万台の販売目標を掲げている。
販売チャネルでは、恒大は直営と代理店の2つの方式を採用し、北京市、上海市、広州市、天津市などの都市に新車ショールームと販売店を設立し、年末までに店舗数は200店に達する見通しである。
恒馳5は、著名なカーデザイナーである中村史郎氏がデザインしたと言われている。同氏は日産自動車のデザインディレクターで、日産GTR、350Z、ジューク、インフィニティFXなどを手掛けた。
ボディサイズは、全長4725mm、全幅1925mm、全高1676mm、ホイールベース2780mmで、ライバルのBYD宋PLUS EV、フォルクスワーゲンID.4よりやや大きく、広汽AION Vよりやや短い。注目すべきは恒馳5に21インチハブが組み合わされていることで、この価格帯では珍しい。
恒馳5は、独自のスマートコックピットを謳っており、クアルコム8155車載クラスのチップを搭載しており、現在トップレベルのハードウエアに数えられる。10.25インチメーターパネル、14.6インチセンターコントロールパネル、10.25インチサブドライバーパネルの3枚ディスプレイを備え、感覚的にはメルセデスEQSのような仕様となっている。このほか、顔認証、感情認識、マルチスクリーンインタラクティブ、ジェスチャーインタラクティブ、音声インタラクティブなどの機能をインストールしている。また、L2.5+クラスH-PILOTスマート運転支援システム、APA全自動駐車、遠隔操作駐車、HWAを搭載しており、これらも同価格帯では珍しい。使い勝手はともかくとして、ここまで充実な装備を搭載しているのも、恒大汽車の本気度を感じられる。
特典として、先着1万人はさらに1万元減額されるほか、納車後15日以内に返品可能、購入後3年後でも4割引で買戻しができることができる。
スペックや特典などからすると、恒馳5は良いコストパフォーマンスの車である。しかし、「恒大グループ」というハンディキャップを如何に克服するかが課題である。恒大グループの債務危機は昨年明らかになり、2兆元の負債があり、返済能力もないとうわさされ、恒大グループ自体が危うくなっている。恒馳5はいくらデザインが良くても、コストパフォーマンスが良くても、最先端な装備を積み重ねたとしても、消費者の最初の反応はやはり「こんな車、買う勇気があるのか」であろう。