LeapMotor、半期で初黒字 通年純利益上方修正・欧州工場建設へ

8月18日、新興EVメーカーのLeapMotor(零跑汽車)は2025年中期決算を発表し、上期の純利益は3,000万元を計上しました。従業員福利費用の一部としての株式報酬を除外した調整後純利益(非IFRSベース)は3.3億元に達しました。Li Auto(理想汽車)に続き、LeapMotorは中国の新興EVメーカーの中で半年間ベースで黒字を達成した2社目となりました。
決算によれば、2025年上半期における新車納車台数は22.17万台で、前年同期比155.7%増となり、中国の新興EVブランドの中で首位となりました。7月の納車台数は50,129台に達し、5カ月連続で首位を維持しました。2025年において月間納車台数が5万台を超えた唯一の新興ブランドとなりました。
上半期の売上高は242.5億元で、前年同期比174%増加しました。6月30日時点で現金保有額は295.8億元に達しました。主な要因は完成車および部品の納入増加、戦略的提携、カーボンクレジット取引収入の拡大によるものです。ただし注目すべきは、第2四半期の実際の粗利益率が14%を下回った点であり、第1四半期の14.9%に比べて半期ベースでは低下したことです。
一方、海外市場はLeapMotorにとって「第2の成長の柱」となりつつあります。今年1〜7月の輸出台数は2.5万台に達し、特に欧州市場での好調ぶりが際立ちました。LeapMotorは来年、欧州に製造拠点を設立し、まずBシリーズ製品の現地生産を開始する予定であり、海外販売については前年比で倍増を達成することを目標としています。
予想を上回る業績を踏まえ、LeapMotorは2025年通年の販売目標を従来の50万〜60万台から58万〜65万台へと引き上げ、来年には100万台を目指します。下半期の粗利益率目標は14〜15%を維持し、通年の完成車粗利益率は約12%(部品事業を除く)、純利益は50億〜100億元を見込んでいます。
国内協業については、LeapMotorは今年3月にFAW(一汽)と戦略的協力に関する覚書を締結し、新エネルギー乗用車の共同開発や部品協業を推進しました。すでに第1弾の共同開発プロジェクトが始動しており、今後は資本提携の可能性についても検討し、サプライチェーン全体の資源協調を進めていく方針です。
総じて、LeapMotorは販売台数・収益性の両面で重要な一歩を踏み出したといえます。しかし一部では「LeapMotorは独自技術を持たない新興EVメーカーであり、今回の黒字転換はコストを極限まで切り詰めた結果にすぎない」との見方が根強く、今後継続的にパフォーマンスを維持できるかどうかは未知数です。