理想L9、高速道路で重大な人身事故、所有者が抗議
先日、中国山西省太原市で、あるユーザーが、理想汽車の販売店に理想L9の事故車を持ち込み、「理想汽車、マシンが暴走し、車が人を殺した」とのスローガンを掲げて抗議しています。10月26日、販売店の従業員は、この事故車が現在も店の前に止まっていることを明らかにしました。
事故車の所有者によると、事故当日、車は高速道路で時速103キロで正常に走行していましたが、突然ACC(アダプティブクルージング)が自動的に作動し、車両が右にずれて路肩にある直径10cmの木に衝突しました。木は折れず、Aピラーが裂け、Bピラーが破断し、屋根が変形し、1人が死亡し、3人が負傷する重大な交通事故が発生しました。
この事はネット上で拡散され、広く注目を集めました。これに対して、理想汽車は公式に回答しました。
「弊社は交通警察と連携してEDR(車載イベントデータ記録システム)データを速やかに提供しています。交通警察が委託した陝西省長安大学交通事故痕跡物証司法鑑定センターからのフィードバックによると、事故車は走行中、LKA(車線維持)機能をオンにせず、車両ACC機能のみをオンにしているため、進行方向はドライバーが自ら制御していました。運転者を除く車内の他のメンバーはシートベルトを着用していないことが確認され、鑑定の結論は車両に製品の品質に問題はなく、車両と機械の暴走問題は存在しないというものでした。車の所有者は交通事故の認定書を受け取りました」。
理想汽車の説明に対して、ネット上に多くの意見が寄せています。
ある人は、検査機関の結果では、理想汽車の製品はどれも優秀でしたが、逆に何件かの交通事故を見ると、車のAピラーが全部折れました。検査機関の実験がどれだけ嘘だったのか、理想汽車が宣伝している安全性がどれだけ嘘だったかがわかります。新興自動車メーカーは技術を蓄積していないにもかかわらず、高級車と誇大宣伝しているため、疑問が生じます。
別の人は、走行中にレバーを一回押すとACCとなりますが、LKAを起動するのに2回押す必要があり、紛らわしい。さらにNOA(Navigation on Autopilot:ナビゲーション・オン・オートパイロット)をサポートする道路では、自動的にNOAに切り替わるという仕組みがわかりづらく、ユーザーが完全に使いこなせるわけではありません。ユーザーは事故の13秒前にACCを作動させましたが、車はそれに伴い車線から外れました。つまりユーザーは、NOAを起動したつもりで、自動で直進運転ができると勘違いして油断したかもしれませんと推測しました。
また、ある人は、運転手の責任は明確ですが、メーカーやメディアの宣伝を信じ込み、未熟な自動運転さえ使用しなければ、事故を回避できたはずだと書き込んでおり、現在の自動運転技術が発展途上で、安易に使ってはいけないとの意見を述べました。