メルセデス・ベンツ、15%の中国従業員削減を計画:激化する競争と業績悪化に対応

2月27日、メルセデス・ベンツは中国市場における競争激化に対応するため、従業員の約15%を削減する計画を発表しました。この決定は、同社が直面する中国市場における厳しい競争環境と売上の低迷を受けたものです。
2月20日に発表されたメルセデス・ベンツの決算によると、純利益は28%減少し、中国市場での販売不振がその主な原因として挙げられています。メルセデス・ベンツの中国市場での販売台数は、2024年に前年比7%減少しました。この減少は、特に中国の地場ブランド、例えばBYDなどが急成長し、電気自動車(EV)分野で強力な競争相手となっていることが主な要因とされています。そのため、外資系メーカーは市場シェアを失いつつあり、特にメルセデス・ベンツはその影響を強く受けています。
さらに、消費者の購買意欲が低下し、経済の不確実性が増していることも影響しています。中国の消費者はますます慎重に高額商品を購入しており、その結果、外資系メーカー、特に高級車市場が厳しい競争にさらされている状況です。
今回の従業員削減は、主に販売と自動車金融部門に集中しています。これらの部門は中国市場において、国有銀行などの地元金融機関と競争する中で不利な立場にあり、特に自動車ローンにおいて競争力が不足しています。報道によれば、メルセデス・ベンツ中国法人の「メルセデス・ベンツ(中国)自動車販売有限公司」および「メルセデス・ベンツ自動車金融有限公司」がリストラの主な対象となっており、今後はデジタル技術を活用して業務運営の効率化を進め、事業を再編成する方針です。
近年、中国市場での売上減少と地場メーカーの急成長に直面しているのはメルセデス・ベンツだけではありません。他の外資系メーカーも中国市場での経営再構築を迫られており、2024年にはテスラをはじめ、ポルシェやBMW、ホンダなどの外資系メーカーが中国での従業員削減を実施しています。