NIO、1台売るのに11万元の損失

ベンチャー系自動車新勢力のNIOの損失が拡大しつつあることが話題となっている。

今年第3四半期のNIOの販売台数は前年同期比29.3%増の31607台となり、四半期ベースで過去最高となった。売上高は130.02億元に達し、前年同期比32.6%増、前期比26.3%増となり、市場予想の129.91億元を上回り、10四半期連続のプラス成長となった。

しかし、同社第3四半期の損失は販売台数とともに拡大し、純損失は41.1億元、調整後の純損失は約35億元で、前期比58.3%拡大した。即ち、NIOの第3四半期の販売台数1台あたりの損失は約11万元である。

これについて市場関係者の間では、自動車メーカーの収益力を測る指標は粗利益率であり、台当たりで計算された利益ではないとの見方はある。

では、NIOの粗利益は見てみよう。今年第3四半期のNIOの粗利益率は16.4%であるが、昨年同期の18.0%に比べても、今年第2四半期の16.7%に比べても下がっている。NIOは今年第3四半期の粗利益率の下落は、主に自転車のバッテリーコストの増加によると説明した。

NIOの推計によると、11月現在58.75万元/トンの炭酸リチウム価格が40万元/トンまで下がると、粗利率が4ポイント上昇する。バッテリーコストの上昇分を除けば、同社の粗利率は20-25%の水準を維持するはずだということである。

バッテリー価格の上昇が粗利益率にマイナスの影響を与えたほか、研究開発への投資が続いたことも、NIOの損失拡大の重要な原因となった。今年第3四半期、NIOの研究開発支出は29.4億元で、四半期ベースでの最高額を記録した。NIOの発表によると、第3四半期の研究開発投資の増加は、主にバッテリー、チップなどの分野での研究開発投資が増加したためである。

原因はどうであれ、NIOの損失拡大は間違いない事実である。

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