NIO、累計1,300億元の赤字でも再度の巨額資金調達に挑戦

1,300億元の累計損失を抱える新興メーカーのNIO(蔚来)は、今年再び大規模な資金調達を実施し、市場の注目を集めました。9月10日、NIOは総額約10億ドル(約71億元)に相当する株式増資を完了したと発表しました。これは同社にとって今年2回目の公開資金調達です。今年3月には、1株29.46香港ドルで株式を配分し、約35億香港ドルを調達していました。今年における二次市場での資金調達総額はすでに百億元を超えています。今回の増資で得られた資金は、スマート電動車のコア技術開発、将来の技術プラットフォームおよび車種の開発、充電・交換ネットワークの拡充、さらに財務体質の強化に充てられ、長期的な成長を支えるための資金力向上が目的となっています。

財務面では、NIOの第2四半期の純損失は49.95億元で、前期比26%縮小しました。株式報酬や組織最適化費用を除外した調整後純損失(NON-GAAP)は41.27億元で、前年同期比9%減、前期比34.3%減となっています。売上高は第2四半期で190.1億元を記録し、前期比57.9%増、前年同期比9%増となっています。第3四半期の販売目標は87,000~91,000台、売上目標は218.1億~228.8億元です。サブブランドの楽道(ONVO)L90やES8も市場で好調で、8月にはL90の納車台数が1万台を超えました。

CEOの李斌氏は、組織効率が大幅に向上しており、もし第4四半期の販売台数が15万台に達すれば、年間でNON-GAAPベースの黒字化も可能であると述べています。

市場の反応は分かれており、米国株は取引前に約9%下落した一方、香港株は寄り付きで3.64%下落した後に急速に上昇し、最新時点では微増となっています。

NIOは過去に何度も黒字転換の節目到来を宣言しては未達に終わっており、同社の説明は「経営状況の改善、全体的に上向き」とされることが多いです。そのため、ネット上では「NIOの目標は常に上に向かっているが、節目を超えられない」といったジョークが多数見られます。

最近のネット上で興味深い議論が行われています。テーマは、NIOは1,000億元以上の赤字を出しても倒産せず、対してNeta(哪吒)は100億元規模の赤字で倒産した理由についてです。これについて意見が分かれています。あるユーザーは、NIOは資金調達力が強く常に出資者を見つけられるのに対し、NetaはChery(奇瑞)出身の経営者で人脈や資金調達力が弱いことを指摘しています。

財務的な観点では、NIOは粗利率がプラスで、営業キャッシュフローもプラスであり、純利益がプラスになるのは時間の問題だとする意見もあります。一方、Netaは粗利率が常にマイナスで、黒字化の望みがありません。

さらに深掘りした意見では、NIOの優位性は2点あるとされています。1つはバッテリー交換技術、2つ目は高級ブランドとしてのポジショニングです。バッテリー交換モデルはユーザーが予備バッテリーを共同購入する仕組みで、CATL(寧徳時代)などの電池メーカーにとって非常に魅力的です。そのため、NIOが倒産する可能性があっても、CATLが直接支援する可能性があります。

高級ブランドとしてのポジショニングは地方政府にとっても魅力的です。高級車は高粗利を意味し、高い税収が見込めるため、赤字であっても資金はサプライチェーンに還流します。さらに、投資失敗が官僚の業績に影響する可能性もあることから、大株主である安徽省合肥市政府はNIOへの投資を手放さず、倒産も望まない状況です。

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